私の仕事は、エステサロンの自営業です。8年ほど営業しています。会社経営ではなく、一人で運営しているため、店舗運営のすべての仕事をおこないます。
主な仕事内容は、お客様への接客・施術・セールス、備品管理、集客活動、経理等の事務です。規模が小さいため、備品管理や事務の仕事の割合は少なく、接客と集客の比重が大きいです。
- 価格破壊が起こり、顧客の相場感覚が低すぎて、施術のみでは生計が成り立たない。
- マンツーマンのサービスのため、一人の施術者が接客できる人数が限られる。
- 新規店が乱立し、そのほとんどが廃業する。そのたびに、業界が荒らされている。
今回は、このような問題点に触れながら、AIロボットとエステ業界がどうかかわっていくのか?将来性について真剣に語って見たいと思います。
エステ業界の将来は暗いがAIで需要が増える可能性あり!
エステ業界は、今のままでは、将来性がほとんどない業界です。報酬は少なく、とても生活ができるレベルではありません。
ですが、AIが広がることで、ニーズと報酬は上がると私は考えています。
エステ業界は、AIの普及した未来にこそ、期待できる業界です。
エステ業界は、いまでも、マッサージチェア、ファットネスクラブ、格安マッサージなど、エステサロン施術の代わりになる商品はたくさんあります。
それでもサロンにお越しになるお客様は、いらっしゃいます。
サロンのお客様の多くは、「サロンの優雅さに酔いに来ている」「日頃の愚痴を施術者にしゃべりたくて来ている」「施術者のエネルギーをもらいに来ている」このようにマッサージ以外に目的があることがほとんどです。
施術で体を楽にする、きれいになるというのは、大義名分にすぎません。
それなのに、いま、エステ従事者が低所得に甘んじているのは、その価値を正当に評価されず料金が安すぎるためです。需要はあるけれど、価格が安いというアンバランスな状況があります。
エステ業界の商品は、生命の触れ合いが核にあるため、AIが普及しても、人間の性質が変わらず「寂しがり」である限り、ニーズがなくなることはないと思います。
むしろ格安エステサロンの代わりをAIがすることによって高級路線としてのニーズが高まってきていると思えます。
また、そうでなくても、AIを取り入れてお客様におすすめの商品をピックアップしたり、新人研修に生かしたりすることで、より面白みのあるサロンサービス展開が可能になるでしょう。
AIが普及した未来は、買い物をするときも、カフェで注文するときも、人ではなくAIを相手にすることになると思います。
こうして人と触れ合う機会が減れば減るほど、直接肌と肌を触れあえるエステサロンの需要は高まることが予想できます。
人が直接サービスを提供し、しかも長時間マンツーマンで一人の従業員を独占するというエステサービスの特殊性と希少価値が評価されるようになる。
結果的に、今は低迷している価格も、徐々に適正価格に戻るのではないかと期待しています。
エステ業界で生き残るためには心のケアスキルが重要
エステのサービスはAIと競合しないとはいえ、単なるマッサージ施術者になれば、AIに仕事を奪われる可能性が高まります。マッサージだけなら、もしかするとAIの方が上手な施術をおこなえる未来もあるかもしれません。
ただのマッサージ屋にならないために、私は、感受性を磨くこと、コーチングやカウンセリングのスキルを学ぶことに取り組んでいます。
例えば、お客様と一緒におしゃべりをして笑ったり、お客様の悩みに共感したり、お客様の怒りを理解したりすることは、AIとの大きな差別化になると思います。
他人と感情を共有し心を満たすことが、これからのAI時代に人間が提供する価値のひとつとなるのではないでしょうか。
AIがどこまで人間の感情に寄り添えるかは未知ですが、お客様の言葉の裏側に隠れた感情の機微を察知して、その感情にアプローチしていくことは、まだまだ人間が勝っていると思います。
今後、AIが人と普通に会話をし、個人が抱える問題を正しく解決に導くような時代がやってくるのかもしれません。
その時こそ、人間同士の違和感や矛盾に満ちた会話に渇望するようになる気がします。AIは常に正しいかもしれませんが、正しいことがつまらないことはよくあることです。
人は単なる正確性では癒されない
昨今流行る音楽は、美しい調べやカッコいいダンスより、ダサいメロディに違和感があるダンスなど、いびつな要素がある音楽です。
人は、違和感に魅力を感じ集まるものなのだろうと思います。正確なだけではだめなのです。
だからこそ、人間らしい違和感を与えられるコミュニケーション能力がこれからの時代に必要なことかなと思っています。
精密な分析や清く正しい仕事はAIにお任せして、私は、人と人の摩擦で生まれる不協和音に注力していきたいと考えています。
今後もエステ業界の競争は激化しつづける
エステ業界に入る方法は、2つです。大手エステサロンに雇用されるか、自分でサロンをオープンするか。これからは、個人同士で協力し合う形があるかもしれませんが、まだ今は、この2つです。
サロンに雇用される際、資格は必要ありません。サロンの研修で施術や接客、営業方法を学んでいきます。
自分でサロンをオープンする場合は、サロンから独立するか、技術をスクールで学ぶかのどちらかになります。
施術の腕も必要ですが、営業スキルは必須です。
そして、自営業の場合は、ネットでのマーケティングスキル、商品開発スキルも大切な要素です。
一人で運営するサロンは、お相手できるお客様の数に限りがありますから、高額商品を開発できるか?質の良い顧客をつかめるかどうかが、生き残れるか廃業に追い込まれるかの境界線となります。
競争は激化する一方です。
3年でつぶれるエステサロンは多い!戦略を立てて取り組もう
エステサロンは参入障壁が低く、常に多数の新規店がオープンしています。
その中で3年以上継続できるサロンは、ほんのわずか。多くは、貯金が底を尽きて廃業に追い込まれています。
オープン前にしっかりとした戦略を整えることをおすすめします。
この先、AIの発達により施術のメインはAIに代行してもらえるかもしれません。ですが、エステサロンは、単なる施術所ではなく、心を休め、元気をチャージする場所です。AIが発展すればするほど、この傾向は強まるでしょう。
そのため、これからのエステ業界に必要な資質は、「思いやり」だと思います。
相手の気持ちを予測するところまではAIにもできるかもしれません。
ですが、気持ちを予測してその気持ちに共感し思いやる。AIがどれほど発達しようと、こうした気持ちの交流はAIにはできないことです。
相手を思いやる深いコミュニケーション力を磨いていけば、人気者のエステティシャンになれるでしょう。
あなたの業界の意見お待ちしています!