フリーランスエンジニアとして独立したものの、「税金って何から手をつければいいの?」「確定申告が面倒で後回しにしてしまう…」なんて悩んでいませんか?実は、フリーランスエンジニアの8割以上が、知らないうちに損をしている可能性があるんです。会社員時代と同じ感覚でいると、手取り額が数十万円単位で変わってしまうことも。
この記事では、IT業界を専門とする税理士が、エンジニアだからこそ使える節税術を5つに絞って、具体例を交えながら徹底的に解説します。読み終わる頃には、「自分にもできるかも!」と、次の確定申告が楽しみに変わっているはずです。
なぜフリーランスエンジニアに節税知識が必須なのか?IT業界専門税理士が解説

フリーランスエンジニアになった瞬間、会社員時代とはお金のルールがガラッと変わります。「知らなかった」では済まされないのが税金の世界。
なぜ、私たちエンジニアにこそ節税の知識が必要不可欠なのでしょうか。その理由を、IT業界を専門とする税理士の視点から紐解いていきます。
ここを理解するだけで、お金に対する意識が大きく変わるはずですよ。
会社員との税金の違いと「手取り」の考え方
会社員時代は、給料から税金や社会保険料が天引きされ、残った額が「手取り」として振り込まれていましたよね。正直、税金の計算なんて意識したことがなかった、という人も多いのではないでしょうか。
しかし、フリーランスになると状況は一変します。報酬は「売上」として丸々入金されますが、これはあなたの手取りではありません。
この売上から、仕事で使った「経費」を差し引き、残った「所得」に対して税金がかかるのです。つまり、手取りを最大化するには「いかに所得を圧縮するか」が鍵になります。
この所得を合法的に減らす行為こそが「節税」なんですね。
フリーランスの手取り計算式
- 売上 – 経費 = 所得
- 所得 – 所得控除 = 課税所得
- 課税所得 × 税率 = 所得税
- 売上 – 経費 – 税金 = 手取り
この式を見てもわかる通り、「経費」と「所得控除」をどれだけ積み上げられるかが、手取り額を直接左右します。会社員のように自動で計算してくれる人は誰もいません。
自分の資産は自分で守る、という意識が何よりも大切になるんです。
ITエンジニアは経費にできる範囲が広い!知らないと損する具体例
「でも、経費って言われても何が認められるのか分からない…」そう思いますよね。実は、ITエンジニアという職業は、他のフリーランスに比べて経費として認められる範囲が非常に広い、という特徴があります。
これは大きなアドバンテージです。
例えば、最新技術のキャッチアップは業務に不可欠ですよね。そのため、技術書の購入費用はもちろん、セミナー参加費やオンライン学習プラットフォームの月額料金も立派な経費になります。
さらに、自宅で仕事をするなら、家賃や光熱費の一部も経費計上が可能です。会社員時代には考えられなかったような支出が、フリーランスエンジニアにとっては「未来への投資」として経費になる。
この感覚を掴むことが節税の第一歩と言えるでしょう。
正しい節税は「脱税」ではない!賢く資産を守る第一歩
節税と聞くと、「なんだか悪いことをしているみたい」「税務署に目をつけられたらどうしよう」と不安に感じる方もいるかもしれません。ですが、それは大きな誤解です。
国が定めたルールの中で、使える制度を最大限活用して納税額を抑えるのが「節税」。一方で、売上を隠したり、架空の経費を計上したりするのは、明確な犯罪である「脱税」です。
私たちが目指すのは、もちろん前者。法律で認められた権利を行使して、賢く手元にお金を残すことです。
無知が原因で払いすぎる必要のない税金を納めるのは、非常にもったいないことだと思いませんか?正しい知識を身につけることは、自分の技術や努力で得た資産をしっかりと守るための、プロフェッショナルとして当然のスキルなんです。
【IT業界の税理士が厳選】エンジニアが知らないと損する節税術5選

お待たせしました。ここからは、いよいよ具体的な節税テクニックを見ていきましょう。
数ある節税方法の中から、特にITエンジニアにとって効果が大きく、すぐに実践できるものを5つ厳選しました。一つひとつは小さなことかもしれませんが、これらを組み合わせることで、年間の手取り額は劇的に変わります。
ぜひ、自分に合ったものから取り入れてみてください。
①【基本のキ】経費を漏れなく計上する(PC・書籍・家賃etc.)
節税の基本であり、最も重要なのが「経費を漏れなく計上すること」です。エンジニアの仕事は、PC一つあれば成り立つように見えますが、実は細かな経費がたくさん発生しています。
これらを一つでも多く拾い上げることが、所得を圧縮し、結果的に税金を減らすことに繋がります。
「これは経費になるのかな?」と迷ったら、「この支出は売上を上げるために必要か?」と自問自答してみてください。YESと答えられるなら、それは経費にできる可能性が高いです。
日頃から領収書やレシートを保管する癖をつけ、会計ソフトにこまめに入力しておきましょう。塵も積もれば山となりますよ。
エンジニア特有の経費にできるもの・できないものリスト
具体的にどんなものが経費になるのか、エンジニアならではの項目を中心にリストアップしました。意外なものも経費にできるかもしれませんよ。
経費にできる可能性が高いもの
- PC・モニター購入費
- ソフトウェア・ツール代
- 技術書・参考書代
- セミナー・勉強会参加費
- サーバー・ドメイン代
- 自宅の家賃・光熱費(按分)
- コワーキングスペース代
- クライアントとの打ち合わせ飲食代
一方で、事業との関連性が説明できないものは経費として認められません。例えば、一人で食べたランチ代や、友人との飲み会代、スーツや私服などの衣服代は原則として経費にはなりません。
公私混同を避け、事業に必要な支出だけを計上することが大切です。
②【活用必須】青色申告特別控除で最大65万円お得に
フリーランスの確定申告には「白色申告」と「青色申告」の2種類がありますが、エンジニアなら迷わず「青色申告」を選ぶべきです。なぜなら、青色申告には絶大な節税メリットがあるからです。
その最大のメリットが「青色申告特別控除」。一定の要件を満たせば、所得から最大で65万円(もしくは55万円)を無条件で差し引くことができる制度です。
例えば所得税率が20%の人なら、65万円 × 20% = 13万円も税金が安くなる計算です。これは使わない手はありませんよね。
手続きが少し複雑になりますが、会計ソフトを使えば誰でも対応可能です。その手間を補って余りあるリターンがある、最強の節税策の一つです。
青色申告の主なメリット
- 最大65万円の特別控除
- 赤字を3年間繰り越せる
- 家族への給与を経費にできる
- 30万円未満の資産を一括経費化
これらのメリットを享受するには、開業届と青色申告承認申請書を税務署に提出する必要があります。事業を開始したら、忘れずに手続きを行いましょう。
特に申請書には提出期限があるので注意が必要です。
③【将来の備え】小規模企業共済とiDeCoで賢く所得控除
会社員には退職金がありますが、フリーランスにはありません。将来への備えは自分で行う必要があります。
そこでおすすめなのが、「小規模企業共済」と「iDeCo(個人型確定拠出年金)」です。
これらは単なる積立制度ではありません。なんと、掛け金の全額が「所得控除」の対象になるんです。
つまり、将来のために貯蓄をしながら、今年の税金を安くできるという、一石二鳥の制度。例えば、小規模企業共済に月7万円(年間84万円)、iDeCoに月6.8万円(年間81.6万円)を拠出すれば、合計で年間165.6万円も所得を減らせます。
税率20%なら、約33万円も節税になる計算です。これは活用しないと絶対に損ですよね。
④【年収1000万の壁】法人化(マイクロ法人)を検討するタイミングとメリット
フリーランスとして順調に売上が伸びてくると、次に考えるべき選択肢が「法人化」です。特に、売上から経費を引いた所得が800万円〜1000万円を超えてくると、個人事業主のままよりも法人化した方が税制上有利になるケースが多くなります。
なぜなら、個人の所得税は累進課税で最大45%まで税率が上がるのに対し、法人税の税率は一定だからです。自分自身に役員報酬を支払う形にすれば、給与所得控除というサラリーマンのような控除も受けられます。
さらに、自分一人だけの「マイクロ法人」を設立し、社会保険料を最適化するという高度なテクニックもあります。すぐに法人化する必要はありませんが、年収が上がってきたら、有力な選択肢として頭の片隅に置いておくと良いでしょう。
法人化の主なメリット
- 税率が一定になる
- 給与所得控除が使える
- 経費にできる範囲が広がる
- 社会的信用度が上がる
もちろん、法人設立にはコストがかかり、経理処理も複雑になるというデメリットもあります。メリットとデメリットを天秤にかけ、専門家である税理士に相談しながら慎重に判断することが大切です。
⑤【意外な盲点】ふるさと納税とセルフメディケーション税制の活用
最後に、意外と見落としがちな節税策を2つお伝えします。一つは、もはやお馴染みの「ふるさと納税」です。
ふるさと納税は、実質2,000円の自己負担で好きな自治体から返礼品がもらえるお得な制度ですが、税法上は「寄附金控除」という所得控除の一種です。所得に応じて上限額は変わりますが、やらない理由がないほどお得な制度。
まだ試したことがない方は、ぜひ今年から始めてみてください。
もう一つが「セルフメディケーション税制」。これは、対象となる市販薬(スイッチOTC医薬品)を年間12,000円以上購入した場合に、その超えた部分の金額(上限88,000円)を所得から控除できる制度です。
普段からドラッグストアで風邪薬や鎮痛剤などを購入する機会が多い方は、レシートを保管しておきましょう。対象医薬品には目印のマークがついているので、確認してみてくださいね。
節税で失敗しないための注意点|エンジニアが陥りがちな罠とは?

節税の知識を身につけると、あれもこれも経費にしたい、もっと税金を安くしたい、という気持ちが強くなるかもしれません。しかし、行き過ぎた節税はかえってリスクを高めることにも繋がりかねません。
ここでは、フリーランスエンジニアが特に注意すべき3つのポイントを解説します。正しい知識で、安全な節税を心がけましょう。
経費の公私混同はNG!家事按分の正しい考え方と計算方法
フリーランスエンジニアの節税で、最も税務署からチェックされやすいのが「家事按分(かじあんぶん)」です。家事按分とは、自宅兼事務所の家賃や光熱費、通信費など、プライベートと事業の両方で使っている費用を、事業で使った分だけ経費として計上する考え方です。
ここで大事なのは、事業で使った割合を「客観的かつ合理的に」説明できること。「なんとなく50%」といった曖昧な基準は絶対にNGです。
例えば、家賃であれば、仕事部屋が家全体の面積に占める割合(面積基準)で計算するのが一般的。電気代なら、事業で使用した時間(時間基準)で計算します。
税務調査が入った際に、「この根拠で計算しました」と胸を張って言えるロジックを用意しておくことが、何よりも重要です。面倒でも、一度しっかり計算ルールを決めておきましょう。
過度な節税は税務調査のリスクを高めるボーダーライン
節税に夢中になるあまり、事業との関連性が薄いものまで経費にしてしまうのは危険です。例えば、一人での食事代や、家族旅行の費用、趣味の道具などを経費に計上するのは、明らかなルール違反。
税務署は、同業種の平均的な経費率などのデータを常に見ています。
税務調査で指摘されやすい項目
- 交際費の内容
- 家事按分の根拠
- 外注費の実態
- 売上の計上漏れ
あなたの申告内容が、その平均から大きく外れていると「おや?」と目をつけられる可能性が高まります。もし税務調査で経費が否認されれば、本来納めるべきだった税金に加えて、ペナルティとして重い追徴課税が課せられます。
節税はあくまでルールの範囲内で行う、という鉄則を忘れないようにしましょう。
インボイス制度開始でフリーランスエンジニアが注意すべきこと
2023年10月から始まったインボイス制度。フリーランスエンジニアにとっても無関係ではありません。
特に、これまで消費税の納税が免除されていた「免税事業者」の方は注意が必要です。
インボイス(適格請求書)を発行できるのは、消費税を納める「課税事業者」だけです。もしあなたが免税事業者のままでいると、取引先の企業が消費税の仕入税額控除を受けられなくなり、結果として取引を敬遠されたり、値下げを要求されたりする可能性があります。
多くの企業はインボイス発行事業者との取引を望むため、基本的にはインボイス登録(課税事業者になること)を検討するのが現実的でしょう。自身の売上規模や取引先の状況を考慮し、最適な選択をする必要があります。
本気で節税するならプロに相談!IT業界に強い税理士の選び方
ここまで様々な節税術をお伝えしてきましたが、「やっぱり自分一人でやるのは不安…」「もっと最適な方法があるんじゃないか?」と感じた方もいるかもしれません。そんな時は、税金のプロである税理士に相談するのが一番の近道です。
特に、IT業界のビジネスモデルやエンジニアの働き方を理解している税理士は、心強いパートナーになってくれますよ。
税理士に相談すべきタイミングはいつ?年収の目安を紹介
税理士への相談を検討すべきタイミングは、一概には言えませんが、一つの目安となるのが「売上が1,000万円を超えたとき」です。
売上が1,000万円を超えると、その2年後から消費税の納税義務が発生します。消費税の計算は複雑で、自分で行うのは非常に大変です。
また、このくらいの売上規模になってくると、先ほどお話しした「法人化」も視野に入ってきます。個人のままでいくべきか、法人化すべきか、その判断を専門的な視点からアドバイスしてもらえるのは大きなメリットです。
もちろん、売上が1,000万円未満でも、確定申告の手間を省きたい、節税のアドバイスが欲しいという方は、いつでも相談する価値はあります。
「IT業界に強い」税理士を見極める3つのチェックポイント
税理士なら誰でも良い、というわけではありません。特にエンジニアの場合、IT業界特有の事情を理解している税理士を選ぶことが、満足のいくサポートを受けられるかの分かれ目になります。
IT業界に強い税理士の条件
- クラウド会計に精通
- チャットツールで連絡可能
- エンジニアの顧問実績が豊富
まず、クラウド会計ソフト(freeeやマネーフォワードなど)の扱いに慣れているかは必須条件です。また、電話や対面だけでなく、SlackやChatworkなどのチャットツールで気軽にコミュニケーションが取れるかも重要。
そして何より、フリーランスエンジニアの顧問実績が豊富かどうか。エンジニア特有の経費について的確なアドバイスをくれるか、初回相談などで確認してみましょう。
質問例:こんなことを聞いてみよう
初回の無料相談などで、どんな質問をすれば良いか迷いますよね。例えば、こんな質問を投げかけてみると、その税理士がIT業界に精通しているかどうかが分かります。
「エンジニアのクライアントさんで、家事按分はどのくらいの割合で設定している方が多いですか?」や「GitHub Sponsorsからの収入があるのですが、どう処理すれば良いですか?」といった、具体的な質問です。これらの質問にスムーズに、かつ納得のいく答えが返ってくるかどうかが、一つの判断基準になります。
リモート対応可能かも確認しよう
私たちエンジニアは、リモートワークが当たり前の働き方ですよね。税理士とのやり取りも、できればオンラインで完結させたいもの。
契約前の段階で、Zoomなどのオンラインミーティングに対応しているか、資料のやり取りはクラウドストレージで可能か、などを確認しておくことをおすすめします。事務所の場所が遠くても、フルリモートで対応してくれる税理士はたくさんいます。
場所に縛られず、自分に最も合ったパートナーを探しましょう。
税理士への依頼費用と費用対効果の考え方
税理士に依頼すると、もちろん費用がかかります。個人の確定申告だけを依頼する場合、5万円〜15万円程度が相場です。
毎月の顧問契約を結ぶ場合は、月額2万円〜5万円程度が一般的でしょう。
「高いな…」と感じるかもしれません。しかし、これは単なるコストではなく「投資」と考えるべきです。
例えば、税理士のアドバイスによって年間20万円の節税ができれば、顧問料を払ってもお釣りがきますよね。それだけでなく、面倒な経理や確定申告の作業から解放され、本来の業務である開発に集中できる時間を手に入れることができます。
その時間で新たなスキルを学んだり、新しい案件を獲得したりすれば、顧問料以上のリターンを生み出すことは十分に可能です。費用対効果という視点で、税理士への依頼を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ:エンジニアの節税は「知る」ことから始めよう
今回は、フリーランスエンジニアが知らないと損する節税術について、IT業界専門の税理士の視点から解説してきました。多くのテクニックがあり、少し難しく感じた部分もあったかもしれません。
しかし、最も大切なのは、まず「知ること」。そして、できることから「実践してみること」です。
最後に、本記事のポイントを振り返り、あなたが今日からできることを確認しましょう。
本記事で紹介した節税術5選の総復習
この記事でご紹介した、エンジニアがすぐに実践できる節税術は以下の5つでしたね。どれも強力な効果があるので、忘れないようにしましょう。
節税術5選のおさらい
- 経費を漏れなく計上
- 青色申告(最大65万円控除)
- 小規模企業共済・iDeCo
- 法人化の検討
- ふるさと納税など
まずは基本である経費計上を徹底し、青色申告の申請を済ませましょう。その上で、将来の備えも兼ねて小規模企業共済やiDeCoへの加入を検討する。
そして売上が伸びてきたら法人化を視野に入れる。このステップで進めていくのがおすすめです。
まずは今年の確定申告から実践できること
この記事を読んで、「よし、やってみよう!」と思ってくださったなら、まずは次の確定申告に向けて、今日からできることを始めてみませんか。
一番簡単な第一歩は、「レシートや領収書をすべて保管する」ことです。専用の箱を用意したり、スマホアプリで撮影してクラウドに保存したり、自分に合った方法で構いません。
そして、クラウド会計ソフトの無料プランに登録してみましょう。実際に触れてみることで、確定申告へのハードルがぐっと下がるはずです。
正しい節税は、あなたの努力の結晶である収入を、そしてあなたの未来を守るための重要なスキルです。この記事が、あなたのエンジニアライフをより豊かにするための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。




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