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リユース業界はきついの?将来性について勤続10年の僕が真剣に考えた

35歳の会社員です。勤続年数10年目になります。勤務しているのは創業2009年の株式会社アシスト。

リユース業界になります。年収480万。

ほぼ創業の頃から勤務しています。

さまざまな中古品の出張買取、ネット販売、卸売りなどを行っています。個人的には出張バイヤーや販売業務などを経て、現在は主にWEBマーケティングによる集客業務に携わっています。

【 リユース業界における3つの問題点 】

1⃣ 近年の個人間取引の急激な増大

メルカリやヤフオクといった中古品売買(CtoC市場)が急激に拡大していることによる大きな影響があります。

個人間取引の圧倒的な利便性に業者(企業)がどのように顧客満足度を高められるか?

2⃣ ライバル企業増大による差別化

リユース業界は比較的個人でも始めやすく、古物商を個人で申請すれば通販サイトで中古品の売買が可能です。

そのため、たとえば高価買取というような従来のありふれたセールスだけでは生き延びていけません。中古品売買に新しい付加価値を築き上げることが求められています。

3⃣ 他業界企業からの新規参入

2と重複する点もありますが、例えば大手家具メーカー、遺品整理業界、引越業界、不動産などによる中古品の買取下取りサービスの増加です。

目次

リユース業界最大の問題点と求められる課題とは?

まず業界全体の構造や課題点として、商品在庫の管理と販売までに要する時間短縮が求められています。

メルカリなどのCtoC市場が活発になっているなか、例えば業界同士の取引形態として古物市場の存在があります。

全国各地に大小さまざまな古物市場がありますが、ネット取引による市場はまだ少ないのが現状です。

売り手は市場に商品を搬入し、買い手は終日市場にいて買い付けをするわけですが、声による競り市場の形態は改革を求められています。

また、そうした市場の人間関係として、お互いに顔馴染みの関係になっている一方で新規参入を考えている人にとってはとても入りずらいです。

中古車業界では、いちはやくオンラインによる仕入れや販売が可能なマーケットが確立されていますが、一般家財などのリユース業界はまだまだ開かれていません。

業界や社内の人事評価や人間関係の問題点としては、バイヤー個人の業績評価が挙げられます。

お客様とのコミュニケーションを通じて、もともと依頼していた商品だけでない商品を追加で獲得してくる営業力の高いバイヤーもいる一方で、なかなか業績を挙げられないバイヤーもいます。

こうしたバイヤー間の業績評価基準をどうするか、教育方法などの問題点はあります。

残業についても、働き方改革の一環で以前よりも「量より質」を意識した業務体制を社内全体のミーティングなどで共有しています。

特にバイヤーは大型案件の依頼増加、繁忙期などの残業時間が大きな問題になっていました。バイヤーの残業によって、結果的に自社倉庫の管理も兼ねる販売部に影響してしまいます。

各部署・店舗のリーダーが、部下の残業をゼロにするべく、無駄な業務をなくすための取り組みや改善が日々求められています。

リユース業界改善のために努力していること

商品在庫から販売までの効率化をはかるために、自社では独自の業者間取引マーケットを立ち上げて運営しています。

従来の古物市場では、売り手は直接市場に商品を搬入し買い手は終日市場にいて買い付けを行います。

そうした時間的なロスや肉体的な労力の削減を目指しています。

自社在庫を素早く商品化することだけでなく、会員登録をした業者も商品を出品・購入できる開かれたオンライン市場を目指しています。

これによって、従来の古物市場による閉鎖的な人間関係にも影響を受けることなく、中古品の売買が効率よくできます。

人事評価制度についてはもともと細かな規定を設けていなかったのですが、営業力のあるバイヤーとそうでないバイヤーの評価基準を見直すべきだという声もあり、代表および管理職でミーティングを重ねたうえでバイヤー職の評価制度を構築していきました。

バイヤーには主に3つの段階を設け、新人スタッフはビギナーバイヤーとして経験を積んでもらいます。

筆記や面談による昇格試験を定期的に実施しています。

営業力の高いバイヤーの追加売上については、一定の基準を設けその売り上げに応じて段階的にインセンティブが発生する仕組みを社内で共有しました。

教育方法は、各バイヤー同士の意見交換やロールプレイングなどの時間を設けています。同じ店舗だけでなく、他店舗のバイヤー同士をペアにして意見交換させるなど工夫もしています。

残業については、政府から働き方改革の発令がなされる同時期から従来のタイムカード方式をやめてスマホやPCのソフト導入をして、各個人が出退勤をするシステムに変えています。

また、各店舗のリーダーが部下と一日の動きをミーティングで共有し、スケジュールや予定退勤時間の確認を行っています。

リユース業界にいてやりがいを感じるところ

個人的にバイヤー職を長く経験していたので、やはりお客様との対面によるコミュニケーションを通じて追加の案件やリピートしてくれた時は嬉しいです。

出張買取だけでない(残地撤去作業、遺品整理、不動産、中古車など)案件を受注した時もやりがいを感じる職種です。

とはいえ、やはりバイヤー職は肉体労働だということです。

弊社は幅広い商品のジャンルを扱っているため決して軽い商品だけではありません。時には大きな家具や家電などを運搬する作業もあり、搬入経路が階段や狭い通路などのケースも多々あります。それは自分の経験をしているので正直きつい部分だと思います。

現在は、主にSEO対策などネットによるコンテンツ作成や動画、SNS配信などの業務に携わっているので肉体的疲労は減ったと言えます。

その代わり、いかに集客につなげるかというコンテンツや動画の企画(ネタ)、情報収取、制作まで形にしていく苦労があります。

バイヤー職で得た経験や知識を生かすことができればよいですが、個人的にWEB関連の集客やSEOの知識もゼロに近かったので、その点ではかなり苦労をしています。

基本的にリユース業界において、SEO対策に力を入れている会社は大手を除けば少ないはずです。

だからこそ、集客の点で同業他社と差別化をはかるチャンスがあります。

コンテンツや動画でも反響がデータで把握できるので実際に依頼に繋がっている成果が得られた時は、とてもやりがいを感じます。

リユース業界は今後はどう変化していくか?

世界中を巻き込んだ今回のコロナウィルス感染拡大の影響によって、どこの会社も同じかもしれませんが特にリユース業界でもその業務形態の改革が求められていくと感じています。

出張バイヤーは、基本的にトラックでお客様の会社や自宅に赴いています。

こうした出張買取システムも、なるべく人との接触を避けるオンライン査定や宅配買取がますます増えていくのではないかと感じています。

また、道路事情としては3年後には自動運転化も本格的になっているかもしれません。

そうなると、現時点のドライバー兼バイヤーの必要性がどこまであるのかも懸念されます。

ウーバーイーツなど軽貨物業界もすでに大きな市場が動いています。

3年後にはますますこうした軽貨物運送などの形態が変わり、そもそも自社のバイヤーが出張業務を行わなくても済む可能性もあります。

そうした時に、弊社を含めたリユース業界に残り続けるためにはより高いスキルが求められてくると思います。

人が一つの場所に集まって取引する古物市場の様態もかなり変わっていると思います。

むしろ、今回の一件で閉鎖を余儀なくされる市場も多いのではないかと思います。

そして、何よりも個人間取引が今後3年間でどこまで市場が拡大していくか?

これはリユース業界の企業にとっては何よりも注視しておく必要があります。

間違いなく現状のサービス形態のままでは、個人間取引の市場に中古品が流れていきます。

この業界に属する弊社を含めた中小企業の多くは、存続ができなくなっているかもしれません。
そのための経営戦略、マーケティングはとても重要だと感じています。

今後リユース業界に入りたい人が考えておくべきこと

転職する業界として、正直なところ個人的におすすめはできません。

ただし、チャンスはあると思っています。

日本は物が溢れた恵まれた国です。今後ますます高齢化が進み、現在の家にある多くの家財はいずれ処分するか誰かの手にわたって再利用するかしかありません。

弊社を含めたリユース業界の存在意義として、一言でいえばなるべく使える物を誰かにまた使ってもらえるようにするための架け橋です。

高齢化だけでなく、空き家問題、ゴミ問題など様々な問題と無関係ではありません。

そうしたなかでリユース企業がどのように役に立てるかというアイデア、企画、集客に興味を持っている方ならこの業界はおすすめできます。

バイヤー、販売、集客のどの部署にいようとも考える必要があると思います。

リユース業界は、さまざまな中古品に触れるために真っ先に思い浮かべるのは中古商品の知識ですが、当然ながら今後はそれだけでは不十分だといえるでしょう。

今後、このリユース業界と決して無関係ではない業界にも目を向けておく必要があると思います。

例えば、資格としてはフィナンシャルプランナーや不動産、遺品整理、整理収納アドバイザー、最近では高齢者ホームプランナーなどの勉強や資格を持っていることで活躍の場が広がる可能性も高いと考えています。

またWEB集客の点でいえば、企業によるSNS情報発信、動画作成の企画や制作スキルなども重宝されるようになると思います。

企業としてはあれもこれも手を付けて事業内容を広げることはデメリットにもなりかねませんが、少なくとも現状の事業展開のままではリユース業界は厳しい状況になると思います。

その一方、見方を変えればやりがいがある業界かもしれません。

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