ホテル業界、老舗温泉旅館のフロントをやっていました。39歳の時中途で正社員として採用され、一年半勤務して転職。給料は月18万円程でした。
18部屋だけの小さな旅館で、予約受付、チェックイン・チェックアウト業務、コンシェルジュサービス、館内の清掃・備品のチェックと補充、アルバイトさんのシフト管理を行っていました。
1.人手不足
お掃除や布団敷き、皿洗いのアルバイトさんや料理を運ぶ仲居さんが少なく、常に手が足りない状態でした。
2.お客様とのコミュニケーションの問題
日本語・英語以外の言語(母国語)しかわからないお客様が増え、身振り手振りでの接客に難儀しました。
3.盗難が多発
アメニティはお持ち帰りいただいてもよいのですが、備品がよく無くなっていました。部屋に飾ってある花器(〇十万)が紛失したこともありました。
ホテル・旅館業界の仕事はAIでほぼ消えるだろう
ホテル・旅館の仕事は多岐に分かれますが、ほとんどがAIで消える仕事だと思います。
フロント業務に関して言えば、ビジネスホテルや格安の旅館では自動チェックイン機やWebでの宿泊予約など、すでに機械化されているところも多いようです。
ただ、高級ホテル・旅館では、接客サービスも料金のうちという感覚が根強いですので、やはり人間の『おもてなし』を望む、一定数のお客様は存在すると思います。
おそらく、超高級ホテルのフロントマン(フロントレディ以下略)の仕事は、AIのためになくなることなく、給料もあがり、将来性のあるすばらしい職業となるでしょう。
しかし、この仕事に就くことができるのは、ほんの一握りのカリスマフロントマンだけであり、人間がお客様をお出迎えをするいう事が、そのホテルの格をあげ、もちろん宿泊料金も跳ね上げることになるでしょう。
その他の普通のホテルでは、フロントの仕事は絶滅すると思います。
それ以外の、ホテル・旅館内の仕事はすでに機械化が進んでいます。監督する人間が一人いれば、お掃除も料理も予約確認もすべてAIでまかなえるため、その職業自体がなくなっていくと思います。
つまるところ、宿泊業界は将来、お客様に接するところ以外はすべて機械で処理していくことになるでしょう。
お客様に対して、人間で対応するか、AIで対応するかは、そのホテルの格やポリシーによることになるでしょう。
人間対応のホテルの場合、フロントマンは相当洗練された専門性を要求され、そのかわり、高収入が約束される希少な職業となり、
AIでフロント対応するホテルは、リーズナブルな宿泊料金と利便性で、高級志向のセレブではなく、一般人受けを狙っていくと思います。
同じようなことが、レストランのウェイターや旅館の仲居さんにも言えると思います。
機械化が進む世の中とはいえ、高い料金を払ってでも人間の『おもてなし』を受ける心地よさを望む人は、なくならないのではないでしょうか?
受付・フロントの単純作業はほぼAIでなくなってしまう
ホテル・旅館業界がAIにとってかわられるのは、時間の問題です。今のままの状態が続くことはありえません。遅かれ早かれ、ほとんどの宿泊施設で無人化が進んでいくと思います。
唯一、AIに奪われない仕事は、前述した超一流ホテルのカリスマスタッフのみではないでしょうか?
機械では味気ないと考える一流のお客様へのおもてなしを担当する、接客のプロです。
ただし、人型ロボットの開発が進み、人間と区別がつかないような、高度に訓練されたAI搭載ロボットが出現するまでのことでしょう。油断はできません。
おもてなしができるプロは旅館業界でも生き残れるが・・・
それまでの間、ホテル・旅館のフロントマンの職を失わないためには、より接客の腕を磨き、お客様に満足してもらえるよう、人間としての暖かさや気配りをもって仕事をすることです。
ロボットにできない『おもてなし』ができる限り、人間としてのフロントマンの価値は下がりません。
業界で有名なカリスマフロントマンになりさえすれば、AI化を躊躇している一流ホテルから声がかかります。
その仕事を続けることができるよう自分の価値を上げる努力をすればよいと思います。
語学ではAIに太刀打ちできるはずもありませんので翻訳機を導入し、コンシェルジュの情報収集など、AIを活用できるところは活用していきます。
人間としての価値は何かを考えましょう。人間にしかできない暖かいおもてなし、お客様のご要望に臨機応変に対処する能力を身に着けていくことが必要と思います。
しかし、人間のホスピタリティを重要視するのは一握りの超高級ホテル・旅館に限られると思われますので、生半可な努力ではこの『一握り』の中にはいることはできません。早々にAIの台頭に屈服してしまって別の仕事を探すほうが得策かもしれません。
ホテル・旅館業で独立して稼いでみては?
ホテル・旅館業界は、いずれはAIに侵略されて無くなってしまう業界だと思います。
それまでに、ホテル内でただ一人の人間である支配人になるか、接客のノウハウやおもてなしの心を習得し、超高級ホテルで希少なフロントマンとして生き残るかどちらかですね。
それよりも、自分で小さなゲストハウスを運営するのはどうでしょうか?
ホテルマンとして働きたい人なら、ジャンルは違いますが、アットホームなペンションやシェアハウスなど、AIを活用しつつも人間対人間のふれあいを重視する宿泊施設はなくならないと思います。
AIを導入するよりも人間のほうが安価で使えるような、少数できりもりできるホステルなど。名前はいろいろあれど、こちらもある一定のニーズが常にある業界だと思います。
ただこの場合、接客よりも、ホテルの維持管理やマネージメント能力が問われることになるでしょう。
ちょっとした機械の修理ができるとか、DIYで何かを作れることがとても役に立つ可能性が高いので、その方面の勉強をしておくべきですね。ホテルマンというより管理人さんといったところでしょうか?
ですが、『お客様に宿泊してもらい、満足して帰ってもらう』という仕事には違いありませんし、AIにとってかわられるかどうかは、オーナーであるあなた次第です。
もちろん、ゲストハウスをオープンするのにはかなりの資金が必要ですが、そこはクラウドファンディングで調達するなり、スポンサーを探すなりすればなんとかなるはず。
WEBで集客できるがあれば、コストは相当下がりますしね。
AIにホテル・旅館業界がすべて乗っ取られないためには、人間の『おもてなし』の心を高め、それに価値をみいだした宿泊施設で働くか、自分で運営するかが、唯一出来ることなのではないでしょうか?
あなたの業界の意見お待ちしています!