委託給食会社の管理栄養士です。勤続年数は2年半、現在26歳で年収は約200万円です。仕事内容は管理栄養士として給食現場での衛生管理、現場責任者としてシフト管理、カロリー計算、献立作成、保健所等に提出する各種書類の作成です。
実際に現場で調理を行ったり、配膳や洗い物などの片づけも行います。
会社の会議にも現場責任者として参加し、現時点での問題点などを社員同士で話し合って解決するようにしています。
私が感じている給食業界の問題点は以下のようなものがあります。
- 給食業界は体力仕事で給料も安く、若い人が定着せずに高齢化が進んでいる。
- 気が強い人が多く、人間関係が悪い職場が多い。
- 安月給なため、離職率が高い
- 調理作業は手作業のため、異物混入などの問題が起こる可能性が高い
- 食中毒が起こらないための温度管理が難しい
このような問題があるものの給食業界は将来性があると思うのです、その理由をもう少しみてみましょう。
給食業界は少子化でも衰退しないと思える理由とは?
給食業界の仕事のニーズは高まってきており、将来性はあります。なぜかというと、共働き世帯が増えたことによって中学校や高校でも給食を求める声が増えてきているからです。
給食を導入する学校が増えることによってお弁当を作る手間が無くなり、共働きの世帯の負担が減るため給食費がかかっても給食を求める保護者は多いのです。
保育園なども待機児童の解消のために増えてきており、保育園にも給食施設が必要なためニーズが高まっています。
また、社員食堂などでは社員の健康のために力を入れる企業が増えてきており、管理栄養士にカロリー計算や献立作成をしてほしいという要望が増えています。
以上のようにニーズは増えていますが、給料が上がる可能性は低いと思います。給食業界が儲けるためには食材の原価率をかなり下げる必要があります。
どうしても食材の値段によって売り上げが左右されてしまいます。しかし、原価率を下げ過ぎてしまうと給食そのものの質が上がってしまうため、原価率を極端に下げることはできません。
ニーズは増えるのに売り上げはなかなか伸びずに給料は上がらず、離職率は高いままになります。ニーズは高まるのに人手不足のままになり、給食施設を増やすことができないという深刻な状況に陥る可能性が高いです。
ただし、AIは給食業界にどんどん入り込むはず
人手不足を解消するためにも給食のAI化は進むと思います。
AIの導入で味付けが均一にできるようになったり、人の手による温度管理ではなくAIによる温度管理や食材管理で高い確率で食中毒を防ぐことができるようになります。
給食業界が売り上げを伸ばすためには在庫管理もとても重要です。在庫を把握して食材のロスが無いように献立を組んでいくことも重要になります。
人の手で把握していると在庫の見落としも良くあり食品ロスが出やすくなります。
AIに在庫管理を一括してもらうことで食材の無駄なく食材費を下げることができ、売り上げアップに役立ちます。
献立作成もAIにプログラミング化しておけばよいため、給食業界のAI化は進むと考えています。
給食業界で管理栄養士として生き残るために必要なスキルとは?
給食業界の仕事がAIにとって代わられないようにするためには人の手でしかできない献立や調理技術を磨いていくことが重要です。
AIと人との違いは自分で考えて行動できるかどうかです。AIはプログラミング化されたものしか作ることができませんが、人は自分で考えたものを作って自分の考えに沿って行動することができます。
AIが給食を作ると一定の味や調理工程になると思いますが、人が作ると美味しく料理を作るための下処置や調理の順番などまで細かく気を配ることができます。
給食施設によって味の好みもあるので、施設ごとの味の要望にも対応することができます。
AIが作ると正確に作れるから良いという考えではなく、給食を導入する施設に人の手だとこれだけ手の込んだ栄養バランスの整った食事を提供できるということを魅力的に伝えることができるかどうかが大切です。
給食は野菜の切り方や調味料に入れ方一つでも味が変わります。調理工程一つ一つに手間をかけることが給食の美味しさに繋がるため、この考える作業はAIにはできません。
AIにとって代わられないようにするには給食業界の人たちがどれだけ自分で美味しい給食を作るためにはどのようにしたらよいのか考え、考えたことを実践できるかどうかに掛かっています。
また、在庫管理も1週間ごとにきっちりと見直すことができれば食材のロスは減らすことができます。
食材のロスを減らすことも考えて献立を立てることができるようにすることも大切です。
個人的にはAIで作る食事と人の手で作った料理は違うと感じているので、毎食美味しくなるように精一杯考えて調理を行っており、施設の要望に合うように献立を立てています。
給食の美味しさを追求してAIの導入を賛成する施設が増えないようにすることが重要です。
給食業界は体力勝負!人間関係は微妙だが安定の仕事
給食業界での仕事は人手不足なので、体力的にしんどいことも多々あります、しかし、食事は生活する上で基本的なことであり、給食を作る仕事は人を笑顔にすることができます。
体力仕事のため、体力には自信があって料理や食が大好きな人には是非入ってほしい業界です。
施設によっては管理栄養士や調理師の資格がないと入れない施設もある野で、これらの資格は取っておくことをお勧めします。食の資格があることで施設側からの信頼も得ることができますし、献立作成の際に栄養などの知識が役に立ちます。
委託給食会社は数多くありますが、会社によって方針が大きく異なります。原価率重視のところもあれば、原価率が多少高くても美味しい給食を提供したいと頑張ってる会社もあります。
入ってからこんな給食を作りたいわけでは無かったとがっかりしないように、面接の際にはどのような給食を作っているのか(手作りか冷凍食品が中心かなど)を聞いておくと良いかと思います。
また、人間関係が悪い給食会社が多いのも事実です。各施設に入ると毎日同じメンバーと顔を合わせるため、人間関係が悪いとそれだけですぐに辞めてしまう原因にもなり兼ねません。
面接の際には人間関係の良さや離職率についても聞いておきましょう。答えることができない会社は人間関係が悪く、離職率が高い会社ですので、避けることができると良いです。
給食業界の仕事は体力仕事ですが、残業はほとんど無く、定時の時間で帰ることができます。朝は早いですが、夕方には仕事が終わるので夕方からの時間を長く楽しむことができます。
この仕事は向き不向きがある仕事なので、体力仕事に耐えれるか、料理が本当に好きか、朝が早いのは耐えられるかなどを考慮した上で就職や転職を考えることをお勧めします。
就職や転職を決めたのであれば、調理の練習はしておくと入社してからスムーズに給食を作ることができます。
あなたの業界の意見お待ちしています!