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外資系技術コンサルタントが考える設計業界とAIの関り方について

現在私は、外資(インド)系のエンジニアリング会社ソフト・メカ設計中心)にコンサルタントとして勤務して、2年半が過ぎました。今の会社に入る前は、日本の半導体メーカに35年間勤務しました。

年齢は63歳、現在の年収は650万円程度です。

オフショア(インド)にいる設計者に、顧客である日本企業から設計の仕事をさせるために、日本人のブリッジエンジニアが連絡を行いますが、この業界には様々な問題点があります

  1. オフショア設計者の中には、日本企業の仕事の進め方を理解できない設計者が多い。
  2. 仕事の成果が日本企業の品質要求を満たせない
  3. 日本企業とのコミュニケーション(英語主体)を取ることが困難な場合が多い。
  4. オフショア設計者の中には仕事のやり方がいいかげんな者が多い。

ということが、弊社に限らす、業界の共通の問題と認識しています。

目次

海外設計コンサルタントの仕事は需要が増えている

今の仕事の現状は、日本企業における人材不足(日本の人口減、ソフト・メカ設計業種の人気減等が原因)により、経営者レベルでは、コスト低減につながる安価なリソース(インド人設計者)を求めており、それを供給する我々のような会社にとっては、需要増に見えていています。

また、この人材不足の傾向は今後も続くと思われますので、将来性は十分あると考えています。

しかしながら、上記にしめした問題があるため、エンジニア供給が即売上向上につながるわけではありません。

AIでコンサルタントの仕事は代用できないのが実情

AI活用による課題対応の可能性についてですが、そもそもAIとは何を意味するものであるかが不明です。

仮に、AIイコール自動翻訳機であると仮定すると、これによる改善が見込まれるのは上記問題の3.ですが、現状の自動翻訳機程度のレベルでは、とても対応できるようなものではありません

翻訳には時間がかかるし、翻訳結果も(ひと昔前に比べれば格段の向上が見られますが)依然としてかなり疑問符がつくようなレベルです。

また、問題の1.2.に関しては、「設計手法の文書化、品質レベルの明確化・文書化により対応可能」と思われているかもしれませんが・・・・。

そもそも文書化(およびその文書を現地語(インドの場合は英語)化)できたとしても、設計手法・品質レベルの定義方法が、日本のやりかたである以上、オフショアエンジニアには理解することができません。

これは現在の業務の中で常々感じていることです。

もちろん技術・規格等は世界標準が存在するものもありますが、それを実現する詳細方法(設計手法・品質レベル等)までも規定されているわけではありません。

従って、日本企業が自社の製品に適用するために、自ら設計手法・品質レベルなどを決めることが多いのが現状であり、オフショアエンジニアには理解することが大変困難です。

百歩譲って、そのような設計手法・品質レベル等が目標ターゲットとして受け入れられたとしても、その本質がすべて理解できているわけではないので、業務実行時の効率も悪く、成果物のレベルが低くなります

そしてそのような課題に対応できるAI技術はいまのところ見当たらいない、というのが正直な感想です。

設計エンジニアリングの仕事はAIには奪われない

今の業務(ソフト・メカ設計)が、AIにとって代わられる時代は、まず来ないと考えます。

その理由は、今のAI技術と言われているもの自体が、ある“ターゲットシステム”向けに開発された技術で、その成否判断基準は明確だからです。

たとえば、AI将棋・囲碁などは、「将棋・囲碁のルール内で、高速な検索技術と、確率論に基づく判断を高速に行うことで相手に勝つ」ことで成り立っているからです。

自動翻訳にしても、数多くの単語と文法の組み合わせで、「相手の言うことを、最も正しいと思われる内容で認識する技術」と、それに対する回答を「膨大な過去の回答事例から、最も正しいと思われる回答を選択する技術」の組み合わせであり、相互の意思が伝われば、自動翻訳は成功です。

(相互の意思が伝わるということの判断はむつかしいところがあるかと思いますが)

一方、ソフト・メカ設計というのは、ある意味人間の「創作物」であり、完成目標とする仕様自体を、自ら決める必要があります。

もちろん組み込みソフトのように、すでに周囲の仕様が決まっており、それに合うように仕様が決定されるケースもあります。

また、展開品設計のように、すでに存在する製品に対して、小修整をして別製品をつくる場合には、仕様はほとんど決まっているというケースもあります。

そのようなケースでは、一部業務がAIで対応可能と思われます。

設計のような。いわゆる「新規性」を求められるものについては、現時点でAIにとって代わられるケースは少ないと思います。

従って、「AIにとって代わられないようにすべきこと」は、「どれだけ、新しいアイデアを生み出すことができるか?」を常に考えつつ設計をすることだと思っています。

そのためには、新しアイデアを考えるだけでなく、それを実現しその結果として、どれだけの効果・メリットを創出できるか?が重要だと考えます。

これは現在のAIで対応できるような話ではないと思います。

AIの本質を考え、どう行動すべきかで将来が決まる

私は長年、半導体の世界につかり、海外を渡り歩きましたが、どのような業種で仕事をするにせよ、常に新しい事を考えつつ業務に励むことが重要だと思います。

そのためには、まずは与えられた仕事に集中しその仕事の本質は何か?を理解することです。

そこで仕事になれてきたら、次は「どうすれば早くできるか?効率よくできるか?もっと別な方法はないか?」を考えることです。

そこで考えついた「新しい手法」の確立にチャレンジし、うまくいけばその「新しい手法」が次の時代の「標準」になっていくのです。

さらに、その「標準」を継続しつつ、さらなる効率改善を目指していくことが、自分が働く業界で生き延びるすべになると考えます。

また、現在では、AIだのVRだの新しい言葉が次から次へと現れますが、大事なのはそれらの本質は何か?を理解した上で、それに踊らされないことです。

もちろん少し使ってみて、必要であれば継続採用すればよいだけの話であり「まわりが使っている、人が話題にしている」から使う、といったことにならないようにすべきです。

常に「自分にとってはどうか?」を考え「主体的に行動」するべきです。また、時間の重要性を認識することです。

大事な時間をゲームで無駄遣いするのは最も愚かなことです。ゲームが好きならそれはそれで構いませんが「時間の無駄遣いをすること」が残念なのです。

資格に関しては「金をかけてでも」「聞ける・喋れる英語力」を身に着けるべきです。これはAIを使いこなす技術以上に多方面で役に立ちます。

日本人で少なとも大学を出た人間であれば「読む・書く英語力」は、世界の標準に近いレベルにいると思います。あとは「聞ける・喋れる」英語力を身に着けるだけです。

私のいる業界に限らず、IT関連では「英語」は道具であり、道具を使えない人間は文字通り「つかえない」人なのです。

流暢でなくても問題ありません。発音が良くなくても問題ありません。「自分の言いたいことを」「適切な表現で」主張できることが重要なのです。

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