私の仕事は美容師で勤続12年、32歳になります。だいたい年収300万前後です。美容師も技術職なので、まだしばらくは機械が接客、施術をできる時代は来ないんじゃ無いかと考えています。だから30代のみなさんも心配しないでください。
技術職という点では将来性はあると思います。すぐに消えてなくなる仕事ではありません。
AIが導入されても美容の仕事はなくならない
ヘアスタイルは人の手によって細かい部分を作り込んでいく作業が多いですし、美容師の仕事はヘアカットだけではなく、ヘアカラーやパーマ、シャンプーやヘッドマッサージなど種類が多いです。
それに時代とともに髪型の種類や傾向も大きく変化します。
その変化に敏感に反応するためには、美容師個人の感性や今までの経験がとても重要になって来ます。
プログラミングされたヘアスタイルでは新しいヘアスタイルを作るということは難しいです。
普段美容師は数ある施術の中から、髪質を見て適切な施術を組み合わせてお客様に提供しているので、多岐にわたる施術をプログラミングして、その場に応じて適切な施術を考えるというのはAIにはなかなか容易では無いと思います。
そして何より、お客様の骨格や髪質、好みやライフスタイルは一人一人違います。
私たち美容師の仕事は、お客様の悩みを聞いてその場で一番ベストだと思う方法で綺麗にしてあげる仕事です。
このお客様の気持ちをくみ取るという作業がAIには難しいと思います。人間ですら完璧にお客様の気持ちが分かるかと言ったら難しい部分はありますが…。
美容師は人と人との仕事なので、いくら膨大なヘアスタイルのデータを組み込んだAIができたとしても、そのヘアスタイルがお客様に似合わない、好みではなかったなどの問題が起こってくると思います。
AIに人間と同じ【直感】のような感覚を組み込むことができるのであれば、もしかしたらAIが美容師に変わる時代が来るかもしれません。
しかしそれでもお客様が、美容室での美容師とのお話しを楽しみにして来てくれている、気持ちを込めてシャンプーやマッサージをしてくれるあの時間に癒されると思ってくれる限り、美容師という仕事がAIに奪われる時代は来ないと思います。
ただし、美容師の仕事の中にAIやロボットを取り入れている部分もある
現在の美容室でも、オートシャンプーやオートドライ(ドライヤー)などの商品が出て来て、取り入れている美容室もあります。
それにより美容師自体の負担が減り、より効率的になったことは事実としてあります。
効率化を進めるのであればAIの導入が一番だと思います。
ただ美容室での美容師がするシャンプーは、オートシャンプーにはできない手で実際にお客様の頭を触り、頭のコリ具合を確認して力加減を調整したり、マッサージのポイントを変えたりと人間ならではの気遣いができます。
この【気遣い】という部分を私は常に気をつけるように意識しています。
細かな部分を気にしてもらえたお客様からは、嬉しいとのお言葉を頂けることもありますし、実際に言葉にして伝えられなかったとしても後から思い出した時に、「あの美容室の雰囲気良かったな」と思ってくれると私は信じています。
この気遣いというところを伸ばしていければ美容師は生き残っていけると考えています。
実際最近のお客様の流れとして、ヘアスタイルの完成度はあまり重視していない方が多いです。
と言うよりは、ヘアスタイルはそれなりの仕上がりになる事は当たり前で、プラスアルファの部分を重視していると言うところが大きいです。
そのプラスアルファが気遣いだったり、自分にあった力加減のシャンプーだったりマッサージ、髪の毛の悩みを親身になって聞いてくれると言った部分になります。
いずれもAIには難しい、人間ならではの強みの部分になっていると思います。
この先の時代でお客様のニーズがどう言う風に変化するかは分かりませんが、これらの人間ならではの強みを伸ばし、意識し続けることがこれからの武器になるのでは無いかと思い日々実践しています。
今後、美容師になりたい人へのアドバイス
前に書いた通り、人間がAIに勝てる部分は人間ならではの気遣いや思いやりの気持ちです。
相手が何を求めているのか、自分は求められていることに対してどう言う答えを出したらいいのか。
常にその事を考えて人た接することが、美容師としての成長につながって来ると思います。
そして求められたことに対して正しい答えを出せるかどうかは練習と経験が重要になって来ます。
AIの情報量には人間はどう頑張っても敵わないと思います。
敵わないなりに美容のことについてしっかり勉強をして、お客様に提供し、反省をする。
その繰り返しが経験となって、AIには出せないお客様一人一人に合わせた答えが引き出せるようになると思います。
また美容のこと以外の分野にも目を向けることも大切です。
旅行に行ったり、映画を観たり、音楽を聴いたり。
お客様の好みは様々で、そのお客様が居心地のいい空間を作るために話の引き出しを多くしておく必要があります。
その時のために今たくさんの経験をしておいて下さい。
実際に体験した経験談なら、iPadで映画や漫画を見るよりもお客様にとってはより深い内容が聞けますし、お客様の好みの話ができればその後も長いお付き合いになる顧客様になって頂ける可能性も出て来ます。
人間性を高めることによって、お客様からは求められる人間になることができ、そう言うお客様を増やしていける美容師になれればどの時代でも生き残っていけると思います。
今の時代美容室の数はコンビニよりはるかに多くなっています。ライバルの他店の美容師だけでもかなりの人数がいるのに、今後もしAIまでライバルになる時代が来ると更に競争が激しくなります。
AIが参戦して来た時も負けないような美容師になって下さい。
給料はそこまで高い業界ではありませんが好きなことで生きていけるのは幸せなことですよ?
あなたの業界の意見お待ちしています!