私は、トヨタ系列の部品会社で働いている40代の男性です。勤続年数は新卒で入社したことから約20年間で、年次昇給の結果としてボーナス込みの年収470万円ぐらいとなっています。
所属している製造業は自動車メーカーと呼ばれており、自動車の内部でエンジンからの動力を伝える特殊なギアを作っている豊精密工業株式会社の勤務です。
【 トヨタの工場で感じる問題点 】
- 悪い意味で年功序列が続いていることから立場が弱い若手の負担が重すぎる
- 昭和とは状況が変わったのでかつての重厚長大のやり方が通用しなくなってきた
- 系列の上位だけが利益を独占して下から吸い上げている図式
- 離職率が高い部署とそれ以外の差が激しいので長く働けるのかは運による
- 現場のムダの排除という合理化によって人手不足が深刻化している
部品製造業界の教育はAI時代に逆行している
AIによる合理主義がさけばれるなか、実は製造現場は理不尽なことを強いて、それを教育と勘違いしているのが一番の問題点です。
業務の流れはもう煮詰まっているので改善の余地がなく、系列の下の会社や取引先に無理をさせて捻出しています。
特に社内の若手はまともに教えてもらえずに放置され、生意気な態度を取らないようにわざと失敗させている節がある業界です。
社内政治に長けている人間が出世するので、上司がただ下に面倒なことを押し付けているケースが少なくありません。
現実的に可能であるのかを議論せず、とにかく自分の業績に見せかけることが重視されています。
そのため、査定をする上司に胡麻をする人間が高く評価され、割に合わない仕事を押し付けられてどんどん追い詰められるのは上司に嫌われている人間という傾向です。
はっきりと正論を言えない集団心理が場を支配していることで、残業の管理はサービス残業の増加につながっています。自分の仕事が終わったから帰ることが実質的に不可能になっているため、みんなで長時間の残業をしているのです。
しかし、残業の時間はコスト削減によって増やせず、結果的に会社への申告がない残業が横行しています。
教育をまともに行わない風潮のせいで、上司は適切な管理を知らず、部下は行き当たりばったりで仕事を進めているのが現状です。
会社の立場で将来性が決まるのが自動車業界の大きな特徴で、即戦力の派遣スタッフがどんどん増えています。
現場については長時間の単純作業のため、外国人の姿が目立ってきました。
それだけ辛い作業という証拠であり、時間が経つほどに短くなる作業時間のせいで拍車がかかっています。
人間関係は部署の上司に気を遣うことが中心で、楽なポジションに収まった社員は何も言わず、反対に仕事を押し付けられている社員はどうにもできずに耐えるだけです。
社内教育の問題点に会社は未対応
会社は教育の問題点を正しく認識しておらず、むしろ意味不明な改革をしています。
そもそも会社側が自分に都合が良いことだけをピックアップしているので、あらゆる口実で社員の給料を削っているのが実情です。
ゆえに、私の会社では各自で生き残りを図っており、どの派閥に入るのかで将来が決まっています。
個人による対応は、上手く上司に取り入って自分だけ助かるか、あるいは、ひたすら耐えるだけです。
転職活動で他の会社に移籍するパターンも多く、毎年数人の正社員がいなくなっています。
家族を養っていて逃げられずに悲劇的な結末を迎えた人すら出ているものの、内輪で処理していることから外部のニュースで発表されることはまずありません。
上の言うことには絶対服従のため、社内で誰がやっても失敗する仕事の担当になったら逃げ場がないまま追い詰められます。
教育の改善ができない理由は、業界的に機能不全に陥っているからです。世界中で自動車が作られていて、人件費が高い日本は本来の定数より少なくすることで対応しています。
したがって、こなせる量を上回る仕事が与えられ、教育どころの話ではなくなっているのです。
社長を筆頭とする役員陣も、正しい教育を全く知りません。
なぜなら、まともな幹部教育すら受けずに、ただ出世の結果として繰り上がってきた人間だからです。
悪い意味で現場主義がはびこっているため、細かいことには詳しいがマネジメントに無知な人間が上に立っています。
業界的にもすでに飽和状態になっているので、異業種へ転職する人間が増加中です。
作れば作るほど売れていた、円安の時代とはもう訳が違うので、抜本的に解決することは難しく、現状維持のために自動車メーカーの社員の待遇にしわ寄せがきています。
トヨタの部品製造現場で一番つらいところ
今の仕事で一番きつい所は、明らかなムダがあってもひたすら耐えるしかないことです。
たとえば、工場間の移動でかなりの時間がかかっているにもかかわらず、各工場に分散して人員を配置する展開にはなりません。
誰でもすぐに考えつく解決策すら自分が弾劾されることを恐れて口にできず、残業時間を合理的に減らせないまま働いています。
改善の提案が推奨されているものの、本音で話し合う雰囲気は全くありません。
やりがいは感じるが本質とはズレているかも
やりがいは、生活に欠かせない自動車を支えている点です。
車に強い興味がある人にとっては天職で、私の会社にも精力的に仕事をしている社員が大勢います。
技術職にとっては新しい製品の開発で役に立った時の感動があり、営業職では上手くトラブルを解決できた時に自分の存在意義を認識できるのです。
私の営業の仕事では社内の調整をすることも多く、面倒な案件を受け流せた時にやりがいを感じます。
無知な上司の指示についても、上手く立ち回ることでかなり回避しているのです。出張を利用してできるだけリフレッシュするなど、社内にいる時間を最小限にしています。
取引先から情報が回ってこないことでの時間のロスはかなりきつく、月末になるたびに深夜まで会社に残っています。
これは他の部署も同様で、系列の上から流れてくる情報に従うことで閉口するほどの対応の遅さです。
理不尽な仕打ちから自分が助かることにやりがいを感じる職場で、その一方で弱い立場になった人はだいたい転職しています。
こう考えると本当のやりがいと本質はズレているのかもしれないです。
トヨタ部品工場の将来性と今後の行く末・・・
3年後にも、この業界は変わらずに動いている可能性が高いです。それだけ完成された仕事の流れであるのと同時に、変化を許さない風潮になっています。
社員の給料や福利厚生については下方修正されるため、仕事量が増える一方で薄給になる構図です。
私の営業職は風当たりが強いので、今後の上からのコストダウンの押し付けでさらにプレッシャーに悩まされる未来が待っています。
私の会社は大手の子会社のため、会社が潰れる心配はほとんどありません。
けれども、社長などの役員が上からの天下りで占領されているなどの歪みがあり、私のように新卒で入社して働いている社員にとってはモチベーションが下がっています。
社内のコスト削減として、査定の厳格化や残業代の制限はより進んでいきます。
現場の仕事を支えているベテランはやる気をなくして転職することを考えているので、何も知らない新人だけが取り残される流れです。
課長ですら残業代が固定の便利な人材としか考えられておらず、長く続いてきた自動車メーカーの歪みは限界にまで高まっています。
業界として破綻しなくても、現場で頑張っている人が潰れないとは限りません。むしろ現場を犠牲にしながら延命しているので、やがては内側に溜まったものが吹き出します。
ですが、今から3年後ならば、まだ現状で続けられる範囲です。
系列に入ることでのメリットが小さくなり、決定的なデメリットが出てきた時に、今の仕組みを根本的に考え直す機会ができます。
自動車の部品製造メーカーがおすすめできる人は?
激務でもいいから安定した生活をしたい人に、私が働いている自動車メーカーの製造業がおすすめです。
おすすめの部署は、長時間働いた分の給料をしっかりともらえる現場の作業員となります。
なぜなら、他の部署では中途採用をあまりしておらず、残業代をあまり受け取れないからです。
勉強しておいた方が良い資格は、旋盤などの現場系のスキルです。
即戦力で雇ってもらえるため、短期間の転職活動で正社員になれます。市街地から離れた工場で勤めるので、普通自動車免許は必ず取得しておきましょう。
自分で考えるのが嫌で、他人の指示に従って働きたい人にも、製造業が向いています。
全ての作業手順や業務フローが決まっており、自分で新しく考えることなく動けるのです。
上司や先輩に従順にしていれば出世できる可能性があるため、長く勤めるのに適しています。
現場は変則的な勤務体系があるので注意
注意点は、現場と事務では全く扱いが違うことです。現場は基本的に昼夜交替勤務という、1週間で昼勤と夜勤が入れ替わる変則的な働き方になります。
複数の手当と割増の残業代などが出るものの、身体的な負担は高いです。いっぽう、事務は昼勤のみで、その代わりに基本給と普通の残業代だけになります。
現場の求人なら条件を問わないことですぐに見つけられますが、事務職の求人は新卒か短期間の派遣が大部分です。
現場がおすすめである理由は、すぐに応募できる上に雇ってもらえる確率が高いからです。
過去の労働協議の関係から、現場のスタッフへの給料は激務に見合った分が支払われます。
ある意味次のステップのためのお金稼ぎと思えば良いかと思いますが、時間拘束も長いので、気力があるうちに転職も考えた方が良いと思います。
これが本当の外に出ない現実の一部です。
あなたの業界の意見お待ちしています!