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実務翻訳の仕事は将来性ある?生き残りをかけた戦いの姿

41歳、体を壊し休業した時もあるので、通算で10年、実務翻訳という仕事をしています。

年収は、おおよそ500万円~600万円(稼働日数や請け負った仕事の難易度などで100万円程度の誤差は生じます)です。

ただし、この中から経費を捻出しているので、実際は400万円前後という感じです。実務翻訳の中でも技術翻訳に重きをおいて仕事をしています。フリーランスです。

【 実務翻訳業界の問題点 】

  • クラウドソーシングの導入に伴い、実力のない自称実務翻訳者が参入してきている
  • 上記に伴い、市場相場が壊れかかっている(実際には、下落傾向にある)
  • クライアント企業がフリーランスとの仕事の仕方を分かっていない場合、大変な苦労をする
  • 短納期、長期間拘束にもかかわらず報酬が低い
  • クライアント(一部、自称翻訳者)が英語力=翻訳力と誤解している
目次

実務翻訳業界で起きている大きな問題点

「ネットの普及に伴う、新規クライアント・自称翻訳者の業界への参入」

これが一番の問題点

本来であれば、翻訳に関する認知が増えたということで大変喜ばしいことです。

しかし、現状としてクライアント側は今までに翻訳会社を利用したことのない企業がネットを介し、プロの翻訳者らに「低報酬」「スピード納品」を要求することが増えています。

本音を書きますが、最低限のビジネスマナーと翻訳のスキルを磨いてきた翻訳者は、「英語」「翻訳」「専門スキル」「日本語能力(母国語ですが、当然のことです)。

また「ビジネススキル」を長い時間をかけ構築してきています。

当たり前の話ですが、それまでに相当量の時間と勉強用の費用を費やしてきているにもかかわらず、それを理解していただけません。

「うちは予算がなくて……」そのような話は私共の知る話ではありません。

また、使用するPCや周辺機器、および専門書籍も自費です。

ビジネスの場合におけるwin-winの形があまり望めず、win-loseの関係が非常に多く散見されます。

私の話ですが、専門分野の仕事で1か月の拘束。内容を拝見したところ、最低見積価格が30万円の仕事を10万円で依頼されたことがあります。

もちろん、丁寧にご説明しお断りしましたが、その後の返答は一切ありません。

これを取引先と考えてみたらどうでしょうか?

いくら話が決裂したとはいえ、今後のために一言なにか言う場合が多いのではないでしょうか?

それすらありません。

フリーランスは企業の捨て駒や使い捨ての機械ではないにも関わらず、そのように理解をしている企業が多いことが問題の1つです。

それに付随して、ネットの普及(一部、「働き方改革」の推進)により、英語ができるだけの方が「翻訳者」を名乗ることが多いです。

彼らは市場相場を知らないので市場価格が下落の一途をたどっています。

そうですよね。

企業内でその翻訳の精度が高いか否かを判断できる人材がいなければ、それで「よし」ですから。

また、企業・自称翻訳者に多いことがTOEICのみで判断する、ということ。

TOEICは英語運用能力の聞く・読む能力を測るもので、ある程度の勉強をすれば900以上も簡単に取れます(私はそのような勉強の仕方はいたしません)。

要点として、「フリーランスとは」「翻訳者とは」と理解していない人により、その職種で以前より生活をしている人が大変迷惑な思いをしている、ということが一番の問題と私は思います。

実務翻訳の世界で生き残るためにやっていること

以前はネットでの仕事も翻訳会社からの案件のすき間時間に請け負っていました。

私の専門分野ではプロジェクトで仕事を請け負うことが多く、2-3日のすき間ができるのは多々あること。

もっと長いと2週間ほど次のプロジェクトの話が始まるまで時間が空いてしまうということがありました。

そのため、ネットを介した翻訳案件を受けていた次第です。

しかし、上記の問題点に伴い、他の翻訳者の質やクライアント企業の質(ここではフリーランスに仕事を依頼するということの価値を認めていない)の低下に伴い、ネットを介した案件の受注は控えるようになってきました。

それまでネットを介した案件を請け負っていた時間は、英語やビジネス英語を習いたい人向けのSkype英語レッスンを開講することにしました。

元々、仕事部屋をリフォームした時に数人の生徒さんを集めてレッスンをしようと思っていたので、その準備も含めて、です。

加えて、他の翻訳者との差別化を図るために、日本語能力を高めたり、専門的な試験の受験に対する勉強をしたりと自分自身への投資の時間に使用しています。

金銭面の話をいうと、今はお金を遣うだけです。

しかし、こういったことを日々継続していくことで数年先には他の訳者とは違う専門性や高い日本語運営能力が身につくのではないかと考えています。

最後に、翻訳者と言う仕事からは離れてしまいますが、元々会社員で大手メーカーに勤めていたこともあり、企業のもつ問題点(特に製造メーカー、もっというと製造部門)を見つけやすいというスキルがあります。

そのため、中小企業診断士の資格も併せて取ろうと思っております。

短い言葉で表現すると、「低い土俵上で勝負はせず、複数の“専門性”を構築することで、他の翻訳者とは一線を画そう」と試みています。

将来実務翻訳の仕事はAIでなくなるのか?

今も既にAI自動機械翻訳がある程度(英和であれば、話の本筋がなんとなく理解できる程度)活用できる段階になってきていると思います。

個人間のやりとりであれば、ニュアンス的に「こんなことを相手は言っているんだろう」ということぐらいは理解できると思います。

技術の分野も日進月歩ですから、3年もあれば今の段階から少し質が上がってくると思います。

機械翻訳やAIがどこまで「翻訳」という分野に進出してくるのかは注意深く見ておいた方がいいと思います。

実際に私は、科学雑誌等である程度の把握はしています。

違う面では、少し前は英語を話せる人はそれだけで希少価値が高かったと思います。

視界現在は、英語はある程度話せて当たり前。大手メーカーや上場企業であれば、それなりに英語が話せる人材が雇用されていることは言うまでもなく。

あまり考えたくないことですが、今まで以上に翻訳市場の相場は下落していくと思います。

翻訳だけで生活していける人は徐々に少なくなっていくのではないだろうか?と私は思っています。

それでも、専門用語や社内用語、業界用語といった特殊な言葉があるということ。

また、日本人独自の本音と建て前。

これを理解できるのは、今の時点では人間であるということ。

その点を考慮してみると、翻訳を言う仕事が3年後になくなるとは思っていません。

ただ、それが通用するのは「英語」だけではなく他の訓練・勉強も積み重ねてきた人にのみ適用されそうな気がします。

将来実務翻訳の仕事に就きたい人へ


一般的なことでは、いつ仕事が入ってくるか分かりません。繁忙期になると1-2か月はプライベートの予定は決められないほどになります。

また、納期が迫っていると徹夜や深夜作業も当たり前です。巷では「働き方改革」とか言われていますが、私たちフリーランスには適用されません。ある程度のしわ寄せはもちろんあります。

心身できついところですが、自己管理がしっかりできていないと自分の能力の範疇を超えた仕事量を引き受ける羽目になります。もちろんの祖作業のほとんどが座りっぱなしの仕事。

誰も「根詰め過ぎだから、少し休んだら?」と声をかけてくれる人はいません。

スマートホンなどのアプリを使用したりし、ある程度の時間になったらPCの前から外し、ストレッチや体を動かさないとあっという間にVDT症候群になります。

自己管理ができていた方の私でも、VDT症候群になりました。職業病と割り切れれば良いですが、偏頭痛がいつ起きるか分からない恐怖感と戦いながらの仕事。相当にキツイです。

一方でやりがいもあります。

出来て当たり前の仕事ですので、クライアントから褒められることは滅多にありません。

それでも年に数回ほど、「本当に助かりました。ありがとうございます。また依頼します」というお言葉をいただけるときつかったけれど、この仕事をしていて良かった、と思います。

また、これは採取的には交渉力と高い専門性とスキルが必要にはなってきますが、高報酬の仕事をした時(もちろん、クライアントに納得頂けた場合のみ)。

今まで頑張ってきて良かった、とも思えます。

実務翻訳の仕事は転職先としておすすめできるか?

実務翻訳への転職は個人的にはあまりお勧めしません。

どうしても翻訳者になりたいという場合は、(例えば)「英語が得意でTOEICも900以上あるから翻訳者になろう」という考えがあるうちはやめた方が賢明です。

翻訳者となれば多くの場合、フリーランスだと思いますが報酬や納期の交渉も自分自身で行います。

当然、確定申告も行います。

もっというと、クライアント企業との話がこじれた場合、「下請法」と言う法律や適用できる条件も最低限知っていないとあまりよろしくない、と私は思います。

そのため一部の例外を除き、「社会人として企業に勤める」という経験は必ずしておいた方がいいと思います。

その際に、上司や先輩、また取引先の言動・メール/手紙の文面を見て、どのような振る舞いが社会人として相応しいのか、ということを学んでおいた方がいいと思います。

言われたとおりに文句を言わずに仕事をすればいい。たしかにクライアントにとってはいい翻訳者です。

しかしここでの「いい翻訳者」は「“都合の”いい翻訳者」です。

ですので、最低限のビジネスマナーや社会人としての振る舞いを学ぶためにも社会人は経験しておいた方が良いと思います。

また、可もなく不可もなく程度の負荷の企業であれば、いられる限りいた方がいいです。皆さん甘く見ていますが、企業の福利厚生などは手厚いですよ?

病気になっても休業補償もあるんですから。この時期に少しずつスキルを身に着けて、翻訳という世界に来た方が良いと思います。

また、これは追々で良いと思いますが、普通の実務翻訳者は得意とする「専門分野」があります。

法律であったり、IT、工学、電子工学、医療など。どの分野に進みたいのかも少しは考えておいた方がいいと思います。

最後に一言。

副業の際は時間がないのでネットでの仕事受注でも仕方がないと思いますが、翻訳者駆け出しの際は「ネットを介した受注」ではなく「派遣で翻訳の仕事」をした方が絶対に良いです。

身の回りに相談できる人がいる環境。

もっといい職場であれば、自分より先輩翻訳者がいる環境。対象とする書類や機械などが実際に見ることができる環境を排除することは本当にもったいないと思います。

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