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販売業の将来性は不安定?お菓子の販売員の立場から現実を語る

販売業です。特に菓子業界に長く従事しており、百貨店勤務を主に多く勤めてきました。現在は40歳。小学生の子供が一人います。

子供たちが将来なりたい職業にいまだに「お菓子屋さん」が入っていてくれることが救いです。
途中、妊娠・出産のブランクはありましたが、足掛けこの業界には20年おります。

業界内の横のつながりは強く、菓子店を辞めてもまた別な菓子店に移って勤務する仲間が多いのが特徴です。

みんな心の底から食べることと、スイーツが好きなのだと思います。

 

目次

販売員の仕事がAIに奪われないようにすべきこと

 

よく上司から言われるのは「お前ら販売の仕事は自販機でもできる」ということです。

これはいいサービスを提供しようという高いプロ意識を持たないと、すぐに淘汰されてしまう仕事だぞという意味の上司なりの言葉です。

 

つい最近になって、大手のコンビニが自動レジ導入を実店舗で導入開始したことがニュースになりました。

まだ完全な無人店舗はできていませんが、あと数年もすれば 誰一人店員さんがいないコンビニができてもおかしくありません。

ファストファッション店のレジにも、有人ではなくオートレジが導入されて、ズラリと機械が並んでいる店を見かけたことがあります。

 

例えば商品探しはお客さん自身がパソコンで検索をし、その商品を手にとって自動レジで精算を行い店を出る。

 

少なくなった在庫は自動的に本社までデータが飛び、足りない分が納品されるという発注システムが確立されれば、本当に AI だけで店を運営できます。

掃除も防犯も 全部ロボットが、人間よりも綺麗に正確に行ってくれるのです。

 

一方で私は、菓子の販売という少し特殊な業界に身を置いています。

味覚に関わる商売なので、POPだけでは伝わらないその商品の美味しさを、自分の言葉でいかに伝えるか?

 

時には試食をしてもらいながら、他社の類似品とどのような違いがあるのか ?

 

どのような食べ方をしたらもっと美味しくなるのか?

 

どのように保存したら良いのか?お土産で持って行くにはどういうものがオススメか?・・・

 

といったお客様との会話のラリーは 、生身の人間同士でしかできないニュアンスというものがあると思います。

 

今後は、煩わしい接客を一切受けたくないと思う人と、どうせ同じものを同じ価格で買うのであれば、じっくり接客をしてもらって買いたいと思うお客さんとで、はっきりと二極化していくことでしょう。

 

AIで販売の仕事が無くならないように注意すべき点は?

 

しっかりとした人間力を身につけることだと思います。コミュニケーション能力もそのうちの一つです。

 

例えば AI の接客であれば、「相手にこう言われたらこう答える」という会話に対する受け答えのパターンが 決められています。

しかし実際は同じことを聞かれたとしても1、0人いたら10通りの答え方の違いがあるのです。

相手がおじいちゃんの時と小さい子供の時でも違うでしょう。男と女でも違いますし、急いでいるか?のんびりしているか?でも変わってきます。

 

これらの接客においての間というのは、一朝一夕で身につくものではありません。私たちの世界ではよく「勘のいい人」という表現をするのですが、 いわゆる接客のセンスがある人のことです。

それは持って生まれた特性もありますが、その人が生きてきた家庭環境や友達との間で築いてきた人間関係、社会で学んできた上下関係など全ての事がトータルされて積み重なってきた人間としての深さなのです。

 

AI ではできない人としての心を磨くには、実社会でいろんな経験をしていろんな人と触れ合うことももちろん大切ですし、 本を読んだり、いい映画を観たり、たくさんの音楽や絵画などの芸術に触れることも感性を鍛える大きな要素になります。

 

自分を頼りにしてもらえることに強いプロ意識を持つことが、接客業として生き残る最終手段だと思います。

 

マニュアルを覚えるだけでできる接客であれば、AIに任せた方がよっぽどミスは少ないです。

 

相手の表情やしぐさ、声のトーンや口調からどれだけ多くのことを察することができるかが、AIにはまだまだ真似できない人間の特権です。

言葉に乗らない部分の感情にどれだけ気づき、そして言葉に乗せないでどれだけ相手に真心を伝えることができるか?

その努力の積み重ねが、接客人として生き残っていくプライドになっていきます。 

 

AIで仕事が無くならないためには非効率さがカギ

人としての生き方もはっきり二極化していくと思います。 AI の波に乗って行く人と逆らっていく人です。

 

AI を上手に人生に取り入れようとしていく人は、もっともっと便利で効率的になっていくように、さらに研究開発を重ねていくでしょう。

例えば相手の表情を読み取って感情を判定し、その相手に合わせた接客応対ができるロボットを開発するかもしれません。

 

接客の経験値が高い人材を接客ロボットのプログラミング要因として導入すれば、かなり質の高い実践的な AI を作ることができます。

 

一方で AI 化が進んでいくほど、古いものを良しとする懐古的思考の人も増えていくでしょう。ここもまた商売としてはチャンスです。

昔ながらの対面販売の魚屋さん。リアカーに運びながら商売をする豆腐屋さん。 古い包丁を何度も手入れしてくれる包丁研ぎ屋さんなど。

あえて手間暇がかかるような非効率的な商いに、「新しいもの」を感じる世代が出てくるはずです。

 

このような商売の人たちも、面倒なことは AI に任せればいいのです。

 

接客にとことん時間を割き、仕入れや在庫、売上管理はAIに頼った効率的な商売を行えば、空いた時間でITを駆使した 宣伝拡散をする余裕も出てきます。

 

大切なのは AI を活用するかしないかで考え方を分けるのではなく、どの部分に AI を使って、どの部分に人間力を残すかのバランスをとっていくことです。

そのバランスが世の中全体でうまく調整出来れば、 なくなっていく仕事なんて一つもないのではないかと思うのです。

 

これから日本の人口はどんどん減っていきます。人手が足りない部分を AI に補強してもらいながら、より残された人間同士のつながりが強くなっていければと願っています。 

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