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家事代行業界の将来性は?AI化されず残業が増え続ける実態を語る

自社で民間保育園や学童クラブを運営したり、ベビーシッタースタッフ・家事代行の派遣をする企業で5年の経験がある、40代の女性です。

関東での規模・シェアは大手クラスの有名どころです。

私はベビーシッターの顧客対応部署がメインで、保育士やその他スタッフの募集部署とも掛け持ちしています。

その前は全く関係のない業界にいましたが、転職の際に「ある程度年齢のいった女性」という立場を活かせる業界はどこだろう?と考えて、今の業界を選びました。

目次

家事代行はニーズがあるが現場は残業だらけ

家事代行はAIの恩恵を受けていないためか、残業状況は特に変化していません。給与は毎年雀の涙ほど上がりますが、世の中の値上げやこの後の消費税増税を考えると実質マイナスです。

残業状況が変わらない理由は3つです。

  1. 業界が人対人のサービスである
  2. 世の中でベビーシッターや家事代行の利用者層が広がった。
  3. 高齢者がどんどん利用を始めた

一番の問題な「ある程度余裕のある層」「アッパー層」に限定されていたのが、「いわゆる普通のご家庭」の利用も増えてきたことだと思います。

例を挙げると、予約の変更キャンセルがとても多いこの業界の弊害が出てきたのです。

余裕のある層の利用者が月に20回の予約のうち10回変更をしてきたとしても問題はありません。

2回に1回ならそれに対応できるだけの利益を日ごろのご利用でいただいていますし、過去に業務についたスタッフもそれだけ多いため、変更対応はさほど時間がかかりません。

それが、「普通のご家庭」のご利用では月に3回程度のご利用のうち3回とも変更されることがよくあります。

つまり全部キャンセルまたは予定変更するケースが増えてきたということです。

急な変更対応はそれだけ利益を削りますし、過去に業務についたことのないスタッフを投入しようとするとそれだけ準備や指示に手間がかかります。

こういった顧客は少しでも利用料金を減らそうとしてきます。

例えば、8時間予約してスタッフを確保しておいて、直前に3時間に短縮するなど、私たちが一番やってほしくないことを平気で行います。

いわゆる飲食店のキャンセル問題と同じ構造です

一番やっかいなのは、当日になっても連絡がつかないお客さんです。もしかしたら遅れてくるかもしれないので、新しいお客さんを入れるわけにもいかないし、かといって何度もお客さんに電話するのも失礼でしょ。だからうちは、当日予約時間になってお客さんがみえなくても1時間は、そのまま席を用意してお待ちしています」

【激増!】有名レストランを悩ませる「無断キャンセル」問題

また、そういう顧客ほどクレームが多いです。

「スタッフの〇〇が気に入らない」

「あのスタッフがこんなことをした」

こういう対応にとても時間が取られます。

利益の出る顧客層以外の層が利用を始めたこと、そういう層は余計に手間がかかることから、会社の利益も利用者の伸びには追い付かず、結果今のジリ貧があると思います。

将来性はある業界ですが、現場スタッフは大変なことになっているのです。

家事代行は残業時間に何をしているのか?

通常の業務時間と同じことを行っています。というより、残業時間帯になってからがようやく本番といった感じです。

顧客も日中の業務が終わって、ようやく私たちに電話をして来たりメールを返してきたりします。

顧客の指示がないと決められないことも多いため、宙ぶらりんで止まっていた業務がそこから動き出すわけです。

スタッフも、1日の業務が終わってようやく会社と落ち着いて連絡が取れるようになるため、ここで依頼や指導、相談などができるようになります。

また、緊急の依頼やスタッフの体調不良、顧客からのクレームなども夜間帯に連絡が来ることが多いので、その対応も残業中に行います。

だからといって業務開始時間を遅く始めることができるかとそういうわけではありません。

朝の時間から利用し始める顧客が多いですがトラブルの連続です。

  • 朝の通勤ラッシュや電車遅延でスタッフが遅れる
  • 地図があいまいでスタッフが場所に迷う。
  • そもそも顧客の家に行っても誰も応答がない。
  • 家族の中に病気の人がいると病児対応ができるスタッフに交代せる必要がでる

そんなことが朝の2時間はずっと続きます。

だから、朝の早い時間にも、夜の遅い時間にも、対応する私たちは絶対に必要となります。

サービス自体は24時間365日行っていますし、夜間休日も顧客が私たちに連絡が取れるような緊急電話のシステムもありますが、だからといって私たちが常に働いていると思われるのはとてもつらいです。

でも、顧客はそう思っているのですよね・・・。

残業に対して会社や個人できることは?

残業を減らすことだけを考えれば、増員しかありません。でも、利益水準を考えると、とても増員は厳しいなと感じます。

利益を上げられれば、増員はできると思いますが、そもそも増員してもあまりのつらさにすぐに辞めてしまう人の多いこと!これまで何人の新人さんを教育して辞められたことか・・・。

賽の河原の気分です。

人手不足のこの時代に、緊張感とストレスにさらされながら日々業務をしてもよいと思えるのは、よほど働き口がない人(つまり仕事ができない人)かよほど信念を持った人、

または私のように惰性で会社に残っている人しかいないので、増員しても戦力になってくれる確率は低いと思います。

あとは、顧客層をもう少し絞るべきかなと思います。

私たちは最高のサービス水準をめざしている会社ですが、お客様にも「最高のお客様」であってもらいたいと思います。

たくさんの利益をくださるお客様のクレームは、もちろんすぐに是正や対応をしますが、手間ばかりかかるたいしたことのないお客様のクレームに同じことを求められてもこまるのです。

最高のサービスをするために、それ相応のお金を払ってもらいたい。

それができないなら、普通のサービス水準の会社を利用してもらいたいです。そう考えると、値上げをすべきなのかもしれません。

つまり、利益を確保するために顧客層を絞り、値上げをする

そしてその利益を使って増員なりシステム増強なりAIの力を借りるなどして対応していけば、残業は減らせると思います。

業界のサービス残業に感じるメリットとデメリット

残業のメリットは、仕事を片付ける時間ができることです。

上の質問で答えた通り、日中は日々起こるトラブル対応に時間を取られたり、そもそも顧客やスタッフとの連絡が取れないことも多いため、残業時間になってようやく仕事が進みだし、片付けていくことができます。

残業時間がなければ、すべての業務が中途半端のままになり、何も決まらないまま顧客の予約日時となってしまいます。

また、込み入った話をするのも、昼間よりも夜間帯のほうが話がしやすい方は多くいます。

顧客も、仕事中の時間にトイレでコソコソと話をするよりも、自宅に帰ってからのほうが気兼ねなく話せるという方が多いです。

デメリットは、それによって社員が疲弊していくことです。

離職率の高い部署ですが、入って数か月程度の新人が23時ころに青い顔をしながら業務をしていると、申し訳ないけれど「そろそろ限界かな」などと思ってしまいます。

私自身この会社に5年いて何度も辞めようと思いましたが、その思いが一番強くなるのは、終電やそれに近い電車で帰るときの悲しい気持ちと、窓に映った自分の顔の生気のなさを自覚した時です。

顧客のほうも「社員はいつも遅くまでいて対応してくれる」とわかっているから、余計に夜間帯に話を進めようとします。

鶏が先か卵が先かではないですが、残業をしているから顧客も夜間に話をしようとして、さらに残業が増える、というのはデメリットでしかないと思います。

でも、サービス残業しないと終わらないんだよなぁ・・なんて思ってます。

家事代行は将来性はあるがきつい仕事

家事代行の利用者層はより一層広がっていくと思います。下手をしたら生活保護ぎりぎりの水準の方でも、利用し始めるのではないでしょうか?

高齢者は自分で家事ができなくなっているので、ある意味介護の代わりに利用されている感があるのです。

家事業界は直接代行と派遣が二つに分かれて成長していく

また、すでに始まっている「顧客」と「スタッフ」がシステム上で直接やり取りをして、派遣会社を通さず自分たちで話をつけていく形ももっと増えていくと思います。

直接取引であれば、利用者の負担は低くなりスタッフの手取りは高くなるためです。

ただ、直接取引は怖いと思うタイプの方は利用者スタッフ双方にいます。

怖い事件が起きた後だと、「直接取引は怖くて」という方からの問い合わせが激増します。

このため、直接取引と派遣タイプの双方がすみ分けていくと思います。

そうなると、わざわざ高いお金を払って派遣タイプの会社を利用する顧客というのは、心配性で安心感を求めるどちらかというと細かなタイプの方が多いので、顧客フォローはより重要視されるでしょうし、そうなると感じる緊張感やストレスも今以上になると思います。

このようなことから、富裕層に特化した派遣会社、中くらいの層に向けた派遣会社、お値段重視の直接取引というように業界内ですみわけが行われると思います。

その中で、たくさんある中小の会社の淘汰や合併も起こるでしょう。

そもそも、ある程度の規模がないとやっていくのは難しくなるのではないでしょうか?

やりがいはありますし、家事代行は世の中に必要とされている業界です。

利用者からの感謝の言葉ももらえます。

でも、その数百倍くらい厳しいことが待っていることを理解して覚悟を決めてから、この業界で働いてほしいです。

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