私は自動車部品メーカーで働いています。勤続年数は13年で年齢は37歳です。
自動車部品メーカーということで、主に日本の自動車メーカーに自動車の様々な部品を納入しています。自動車部品としては世界シェア1位となっており、その業界ではトップの企業となります。
私はその企業の中でも新規事業分野を担当しており、扱っている商品は自動車とは関係がないのですが、
今回のAI関連のお話しでは、私の勤務する企業の主な事業分野である自動車部品の仕事がなくるなのか?その将来性をメインにお話させて頂きたいと思います。
AIが進む中で自動車メーカーは衰退するのか?
私の勤務する企業は自動車部品メーカーですので、業界としては、日本の自動車産業がメインの主戦場になります。
日本の自動車産業がAIが今後発展することで、どのように変化するでしょうか?
まず、AIが活躍する世界における自動車の役割について考えますと、もちろん自動車にはAIによる自動運転機能が備わります。これは間違いがありません。
ですが、自動車という乗り物自体は、今現在、道路というインフラが世界中に整備されていますので、なかなか自動車自体を他の移動手段に換えることは、直近20年位では難しいと思います。
ですので、自動車という乗り物が今後AIによって人間が操作しなくても動作する移動手段として変化していくことでしょう。
その際、人間が運転をしないので、道路の交通管理は変わる可能性があります。自動運転が普及した後は信号も必要ありません。
それぞれの自動運転車が効率良く道路を移動するので、信号でわざわざ規制する必要がなくなります。信号での交通管理は効率が悪いですからね・・・。
自動車の未来は、このように交通管理システムは大きく変化をしますが、移動手段としての使われ方は続くと思っております。
その中で、その自動車を支える自動車部品も様々な変化が起きるとは思っています。
自動車部品の中でAIが普及した後でも必要なものは、タイヤ、ホイール、足回り部品、内装部品、シートなどになります。
逆に不必要なものは、ナビ、ミラー、ガラス、ハンドル等の操舵関係などになります。
幸い私の企業が扱っている商品は、上記の中でも必要に分類したものになりますので、事業自体はAIが普及しても大きく需要がなくなることはないと思っています。
ですが、自動車メーカー自体が大きく変化する可能性はあります。電気自動車等が普及して新興メーカーが盛り上がってくる可能性はあります。
ですので、ニーズとしては、私の企業の事業は今の現状を維持すると思っています。
AIが進化するなかで、自動車メーカが生き残るコツは?
私はAIが発展することは喜ばしいことだと思っています。
もちろん、人間がやるより、機械(AI)が同じ仕事を行う方が、コスト的にも能率的にも有利になります。
機械には福利厚生もいらないですし、風邪もひかなければ怪我もしません。経営の効率化に製造業の世界もAIを使わない手はありません。
ですので、今の仕事をAIに奪われないように守るというよりは、AIを利用して、事業内容を柔軟に変えていくのがこれからの時代の優秀な企業のやるべき行動かと思います。
個々人に注目してみると、今現在、企業の管理部門である、人事、経理、法務、総務などで働いている人員は残念ながら全てAIに置き換えられてしまいます。
ですので、そういった人員は他の業務に付かなければならないと思います。
もしくは、その分野で、AIを管理するオペレータになる必要があります。
そういったAIの普及によって今の仕事を続けられない人々もいますが、企業全体としては、会社の管理部門を大きく効率化できますので、より経営資源を既存事業の拡販、増強、また、新規事業への投資に回せるようになります。
これは企業全体としては、より効率的に事業を進めることができるようになるということです。
こういった変化は、IT革命でも同じようなことが起きました。
パソコンの普及、インターネットの普及によって、紙で管理して電話やFAX、手紙による通信、直接相手に会ってでの会議などでしか仕事を進められなかったところが、
Eメールで連絡し、電子データで情報を管理し、テレビ会議で相手と連絡が取れるようになりました。
これにより大きく企業活動のスピードが上がりました。
このような変化がAIの普及によっても起こります。今よりさらに自動車製造業は企業活動のスピードが上がることでしょう。
先進国では人口がこれから減っていく時代ですので、このAIによる恩恵は多くの人にとってプラスになると思っています。
ですので、今の仕事がAIにとって代わられないように抵抗するのではなく、AIを利用する側にシフトしていくのが良いと思います。
AIが進む中で自動車メーカーに必要とされる技能は?
今後AIが普及すると、今ではAIは専門の技術者が利用する特別なものとなっていますが、パソコンを誰もが使うように、今後、AIを誰もが簡単に利用するようになるでしょう。
そんな時代が来た時に、私達はどのような生き方をすればいいでしょうか?
この問を考える時は、歴史から想像してみるのが効率が良いです。
例えば、スマートフォンがなかった時代と、スマートフォンが普及した時代を考えてみますと、スマートフォンがなかった時代は、Eメールを送るにも自宅や職場に行って、
パソコンから送る必要がありました。(携帯電話のメールはありましたが、仕事ではそんなには利用していなかったと思います。)
ですが、スマートフォンが普及した今ではどこにいても誰にでも連絡がとれるようになりました。
それに加え、どこにいても何でも検索して調べられるようになりました。さらに、写真も撮れるのでどこにいても記録をすることもできます。
ですが、これらも、世界的に優れた企業が、誰が使っても使えるスマートフォンという形で商品を提供してくれたので、誰もがその恩恵を受けることができる世の中になっています。
それと同じようなことがAIでも起こると考えられます。
一部の超有能なエンジニア達が必死でAIを作り込み、その利用手段を有能な企業が商品として仕上げていくと思いますので、
一般人達はその商品を購入することができれば、誰でもどこにいてもAIを利用できるようになる時代が来ると思います。
所詮人間にとってAIはツールに過ぎません。人間を置き換えるものではありません。人間や企業、社会が利用するツールとなるのです。
ですので、AIが人間に代わり、考え、推測し、判断し、行動してくれます。
そうすると、人間はAIの行う仕事についてはやる必要がなくなります。すると、人間はAIの行わない活動に集中することができます。
例えば、食事、ゲーム、芸術の鑑賞、運動、快感の追求など、人間の本能を満たすものに集中することができます。
ですので、AIが普及すると今まで我慢していたことを、わざわざ我慢すること無くAIに任せ、人間はよりAIというツールを使いより幸福に生活できるようになっていくものと思われます。
社会的にも、苦しい仕事はAIがやり、より人間の幸福を満たすための経済活動が発展していくと思います。
私達は今後、AIをツールとして進んで利用する生き方をしていけばいいかと思います。
あなたの業界の意見お待ちしています!