医療業界・総合メディカル株式会社・薬剤師をしており、勤務年数は5年。現在、29歳。年収は額面で550万くらいです。
仕事内容は調剤薬局の薬剤師として、処方せんに基づいた調剤・投薬・薬歴記載等の薬剤師として大切な業務を行いつつ、OTCの販売、店舗運営としての在庫管理やシフト調整や新人への研修企画運営などを行っています。
今回悲観される薬剤師業界の将来性ですが、私は将来性があるという立場をとりたいです。その考えについて現場からお話しします。
【 現在の薬剤師業界が抱える問題点】
- IT化の流れが遅く、ほぼ進んでいない状況。
- 保険証・処方せんも紙媒体・病院・薬局も遅れているところは紙媒体
- 今後少子高齢化で経営難になる可能性がある。
- 医師の権力が強く、厚生省からの指導は薬剤師のみ
- 処方せん発行の医療機関・医師への指導は行われていない
このような現実が待ち構えています。国全体として医師へモノを申せない状況なのにもかかわらず、薬剤師は物申さなければいけないのは事実でしょう。
私が薬剤師に将来性があると思える理由とは?
現状はまだIT化がほぼ進んでおらず、進めるにも従事者がIT関係に弱い人が多いため、IT化の進みは遅い現状です。
全ての徐用法がIT化され、全て統一化されたフォーマットを作成することが出来たならば、今後ガラッと業界全体が変わっていくと考えられます。
ただし、既得権益が強い業界であり、また政治力等もそこそこ持っているため、どこまで進めることが出来るのか微妙なところであると思います。
薬剤師がどう将来的にAI時代に必要とされるべきか?
薬剤師としての将来性を考えると、医療は全般としてグレーゾーンの中での判断を求められるため、自分の意見を伝えることが出来る人間が今後必要になっていくと考えられます。
現在のようにただ業務をこなすだけではAIの前に機械化への流れの中で淘汰されていくと考えられます。
薬剤師としてはAIを上手く利用しつつ、個人個人のパーソナルデータや気持ちを汲み取り、個別の判断を取れる人間になることが今後社会の中で薬剤師が需要として出てくる部分だと考えられます。
また、医師がいれば薬剤師は要らないという話もありますがそれは違います。
医師は診断という判断を行うのが業務であり、薬剤師は調剤として、服用方法の提案やその人の状況に合わせた同じ薬剤への提案などを行っています。
また、現在、医師の過重労働が取り上げられており、今後タスクシフトの流れが起きる可能性も示唆されております。
そのような背景から、AIのみではカバーできない「薬の分野から医療従事者や患者を含んだ多くの人を納得・説得させる」という部分に関しての仕事は確実に残っていくと考えます。
薬の効果を発現させるためには服用する方の意識も大切になっておりますので、ただ機械的に効能・効果を伝えるだけでは必ずしも意識を変えることが出来ません。
また、機械的に効能・効果を伝えるとしても、情報量が多くなりすぎて当事者が取捨選択が出来ない可能性もあります。
まだまだ情報の精査・取捨選択するAIは出てこないと考えるので、需要はあると考えます。完全自動化は遠い未来の話です。
薬剤師の仕事がAIで奪われないようにすべきこと
薬剤師の業界がAIに取って代われないようにすべきことはまず単純作業・事務作業のタスクシフトです。
現在、保健医療関係は無駄に事務作業・確認作業等が多いように思います。
有資格者がその資格を発揮する業務に主軸をおいた運営を行える体制を薬剤師会がより権力を持って、現場の意見を吸い上げて発信していくことが大切だと思います。
そうことで薬剤師として大切な薬物的な仕事や対人的なコミュニケーション力などの向上に時間や労力が割かれ、AIに取って代われない人材が造られることになると考えます。
その際、今の機械化の流れにさえ批判している方や既得権益に胡坐をかき、変化を拒み続ける方への対応を考慮する必要があります。
少子高齢化による社会保障費の増大は加速度的に起こっており、今までの付けが回ってスピード感を持って対応していかなければなりません。
個人的に具体策としては現在の社会保障の流れがどの方向に向いているかの情報を取るようにしています。
また、知識を得る方法を常に考え、薬学的知識を常に得るようにしております。
また、単なる知識だけでなく、個人の人に対してどういった対応をするのがよいのか、医師の方は治療に関してどのように考えているのかといった単純な論文やガイドラインのみで分かる部分で無い情報を得て自分のものに出来るようにしています。
そして、最近は調剤機械の新しいものが販売されることも多いため、その情報も得るようにしております。
その他、薬局店舗内での業務タスクシフトが出来るように個人の力に頼らずとも運営が回る状況を作り、
今後薬剤師の資格が持っていない方が出来る業務はすべて非資格者が行うことになったとしても業務移行がスムーズになるようにしています。
今後薬剤師になりたい人にお勧めの資格と勉強法
今後、業界は再編等改変のスピードが速くなっていくと思います。現場で働いている人だけを見ているとやる気が無くなっていくと思います。
多くのやる気のある方との付き合いをつくり、国家試験後の自己研鑽を継続していくようにしてください。
給料はおもったほど高くないと思いますし、今後上がっていかない可能性があります。
しかし一般的な人よりかは給料水準が高いと思います。
決して怠惰に過ごすのではなく、自分への投資をしっかり行ってください。
時間が無い等の環境のせいで今の自分が良くないと思ったのならば自分で環境を変える努力をしてください。
薬学部に合格する・薬剤師国家試験に合格する等は自分の環境を変える努力のひとつだと思います。
そこで歩みを止めるのではなく、歩み続けるようにしましょう。
薬剤師以外に身につけておくべきスキルについて
医療業界は本当に激動になっていくと思います。薬剤師は全てAIに置き換わる・いらない仕事になる等くらい話を言う先輩もいらっしゃいます。
そういった人の話を真に受けて何もしないと本当に不要となっていく人材になってしまいます。
逆にAIを上手く利用できる人材になってください。そのためにも機械やPC等の操作には必ず慣れておいたほうが良いです。
ITスキルは必須です。
そして、医療は税金など生活に密着している部分が大きいですので、ファイナンシャルプランナーの試験を受けたり勉強をすることをお勧めします。
実際に働いていると保険や年金の話題について振られることが多いです。その話題について無知では相手の方の信頼を得ることは出来ません。
一通りの知識をつけるのにファイナンシャルプランナーの資格の勉強は役に立ちます。
今後、保険業界と薬局業界が手を組む可能性もありますので、学ぶ価値はあると思います。
日本人は悲観論が大好きですが、なにも絶望することはないと思います。そもそも医学は人に希望をあたえるものですよね?
そのためにも私たちが希望を抱いて前に進んでいく必要があるのではないでしょうか?
あなたの業界の意見お待ちしています!