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防災コンサルのの将来性は?現状の課題と今後の動向を勤続11年の私が語ってみたい

防災コンサルタント(10ヵ月前まで株式会社サイエンスクラフトに勤務、現在は独立して同社と個別契約を締結する形で活動中)約11年携わっています。

主な仕事内容は、防災計画・マニュアルの作成、防災の研修・訓練の企画・運営・講師登壇、防災に関する調査研究などです。

最終肩書は、主任コンサルタントとして、拠点マネジメントを行っていました。
現在51歳の女性です。

正社員として勤務していたときの年収は500万弱くらいだったかと思います。

 

【 防災コンサルが抱えている現状の課題 】

  • 国の法律・施策に則った形での企画が求められるため、エビデンスの提示の厳密さが求められ、相当な知識の蓄積が必要
  • 被災地現場やクライアントの職場などに入り込んでコンサルティングするため、高度な対人コミュニケーション力が必要
  • 研修や訓練など、大勢の人を集めた中でワークショップを行うため、グループ行動のダイナミクスを理解したファシリテーションの能力が必要
  • 上記のような能力が備わった上で、さらに説得性のある提案をするプレゼン力が必要なため、適任となる人材が不足し、特定のパフォーマンスの高い人員に仕事依頼が集中する
  • 新しく入った人材が続かない(負荷が高すぎると敬遠される、教わって簡単に身につくものでないスキルが多く時間がかかるが育てる余裕がない)

 

これらの課題と共にこの業界の将来を考えてみたいと思います。

目次

防災業務はどんどんAIに置き換わっていく

現在防災コンサルタントで行っている8割程度の業務は、AIに置き換わると思います。

AIの強みは、ビッグデータによるマイニング、ディープラーニング、ネットワーク化した高度センサーの3要素で、人間が可能なレベルを圧倒的に超えていることだと考えています。

防災コンサルタントが社会的に求められている専門性のうち、「確かなエビデンスや過去の経緯を踏まえて企画内容・研修内容を発出する」部門は、AIが強みとする3要素が重視されます。

このため、以下の部門などは今後AIの方が作成速度も精度も人間を上回り、10年もすれば、AIによる提案を前提にしてコンサル内容を作成している可能性が高いと思います。

 

  • 法律や国策等のエビデンスを精査して防災計画やマニュアルを組み立てる部門
  • 過去の実災害事例をデータベース化して参照できるよう資料化する部門
  • 災害発生時に状況をモニタして判断に必要なデータを揃える本部機能を支援する部門
  • 災害対応に当たる部隊の動線をトレースして最適な活動戦略を立てる部門
  • 過去の研修・訓練や実災害の事例をもとに最新の国策を組み込んだ研修プログラム部門

 

この部門にいる人は注意が必要です。

また、クライアントの立場からすれば、ネット上でいくつかの質問に答えればシミュレーション結果(簡易提案)が即座に提示されるシステムは魅力的です。

即時性や利便性が高いAIコンサルは、一次情報の取得にはメリットがとても大きいと思います。

既成品のような防災計画・マニュアルやeラーニング研修などは、AIのバーチャルコンサル員が対話していくようになるのではないかと考えています。

では、防災コンサルの将来性がまったくないかというと、そうでもないと思っています。

 

防災コンサルで生き残る部門は?

直接人と接して行うコンサルティングやファシリテーションに関する部門は生き残りそうです。

 

クライアントの意識に上らないような思考を汲み取る対人コミュニケーション力や、意識の発散・収束を繰り返す中での創発力が問われ、推論の積み上げではない機微が必要となります。

このため、以下のような部門はAIに置き換わるのは相当難しいのではないかと考えます。

  • 現地に直接入り込んで行うエスノロジー調査、対面でのヒアリング調査
  • これまでにない掛け合わせで新作するなど、研修プログラムの新規デザイン
  • 参加者が自発的に行動を起こす研修・ワークショップ・訓練のファシリテーション

 

ここは人の手に残されているのではないでしょうか?

防災コンサルとして今後生き残るために必要なスキル

防災コンサルで生き残るにはAIに置き換わるのが難しい対人コミュニケーションに関するスキルアップを図ることが先決です。

また、AIが出力する成果をクライアントの個々の事情にそったプレゼンへとアレンジするデザインセンスを身につけることではないかと思います。

調査や集約作業、記録の整理など、AIが得意とする部門については、これから先多くの時間をかけてスキルを習得したとしても引き離されるばかりです。

一方で、直接顔を合わせて会話し、その場の雰囲気を暖かく柔らかいものにして心情的に納得し、受け入れて実際に行動につなげていけるようにする行為はAIでは取って代わるのは難しいです。

 

特に多くの参加者を相手にしたワークショップなどは、リアルの人間でないと成果が出ないと思われます。

上記の理由により、個人的には、主に私の会社では以下のような対人スキルを上げていく対策を図っています。

  • ワークショップ等のファシリテーションスキルを向上させる研修の企画運営
  • 対人コミュニケーションの好感度を上げるための知識や態度の取得、実践による強化
  • 様々なデバイス、コミュニケーションツールの操作の習熟
  • コミュニケーションツールに合わせた言い回し、使い分けノウハウの取得

例えば、ファシリテーションであれば、集団の関係性やワークショップ中に生じる場の動きを見極め、的確な介入を行うための観察力、判断力、PREPに代表されるような論点整理力、即興でその場の状況を可視化するフレームワーク力、グラフィック力などが基本的なスキルになります。

コミュニケーションであれば、心理的な親和性を高め、意見の発散、収束、合意・納得を図るため、言い換え力や共感力といった対話スキルも必要になりますし、姿勢や表情といった立ち居振る舞いのセンス向上も重要になります。

また、クライアントの信頼を得るためには、相手のレベルに合わせたコミュニケーションを行う必要があるため、

 

PCメール、グループウエア、SNS、TV会議、電話、対面など、様々なコミュニケーションデバイスの特徴を理解し、操作に習熟した上で、それぞれの作法に則った形でやりとりができるよう習熟しておくことが重要です。

コンサルは即興性がないとAIに負けてしまうのです。

防災コンサルをして考えたAI時代に必要なスキルとは?

防災コンサルの業界に限らず、AIの特徴が先に挙げたビッグデータによるマイニング、ディープラーニング、ネットワーク化した高度センサーの3要素である以上、相当高度な専門知識が必要とされる分野でも、AIに取って代わられる可能性は高いと考えます。

例えば、医師、弁護士、行政書士、会計士、ファイナンシャルプランナー、不動産鑑定士、通訳など、一見複雑で属人的にみえる職業でも安泰とは言えません。

 

専門知識や事例の収集、モニタリングやシミュレーション、翻訳といった作業は圧倒的にAIが優勢ですから、資格を取ったときの努力しか続けなかったら仕事が回ってこなくなると思います。

一般のサービス業や製造業なども同様で、いろいろな資格を取ったとしても、それ以上の努力をしなかったらAIの方が上回ります。

では、資格を取る必要がないのかというと、そうでもないと考えます。

資格を取得するメリットは、その業界の全体像を把握し、業界の体系やしくみを理解できることにあります。

つまり、AIのもつ特性と、業界のしくみを把握した上で、いかにAIを使っていく側に回るか、という感覚を身につける近道になるわけです。

資格を取得するまでは、膨大な知識をインプットしているに過ぎません。

インプット作業をそのまま延々と進めていると、あっという間にAIに追い抜かれます。

資格を取得してしくみを理解したら、いかに効果的に運営するかのマネジメント力を高める必要があると考えます。

AIを強力なツールとして運用していく中で、ファシリテーション力やコミュニケーション力を駆使してクライアントの意図を汲み取り、クライアントですら気づいていない「半歩先」の提案を創発する。

どのようなビジネス業界でも、このような仕事の仕方が求められてくるのではないかと思います。

このとき、重要となるキーワードのひとつが、感性ではないか、と考えています。

アリストテレスの弁論術で、相手を説得(納得)させるために必要として以下の3要素が挙げられています。

  • ロゴス:話す内容そのものの論理性、内容の確かさ「何を話すか」
  • エトス:話す人の信頼度、好感度、肩書「誰が話すか」
  • パトス:聞く人の感情、情動「どう伝わるか」

この中で、最終的に人間を行動に導くのは、パトスの要素が大きく影響します。

例えば、商品がいかに高機能であるか社長が説明するのを聞いたときは全然ほしくならなかったのに、店頭販売員が本当に嬉しそうにその商品を語り始めたらすっかり欲しくなってつい買ってしまったというような場合です。

AIは、このパトスの部分、つまり感情や情動といった部分には、なかなか到達するのが難しいと考えています。

 

ロゴス(論理性、確実性)については、圧倒的に強いでしょうし、内容の確かさから信頼度も人間より上回る可能性が高いです。

現在洗濯機より手洗いの方がよく汚れが落ちるなんて思う人が少数派であるように、今後は「AIが出した結果だから間違いないだろう」という信頼度は高まる一方だと思います。

ですから、人間がAIと勝負できるのはパトスの部分、感情や情動を突き動かす「感性」を磨き上げることに尽きるのではないかと考えています。

先に述べたコミュニケーションスキルも、ファシリテーションスキルも、この感性を高め、情動に訴えていく力のひとつです。

人の情動を突き動かすのは、まず自分の中の楽しさ、悲しさ、心地よさ、嬉しさといった感性を豊かにしていくことです。

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月並みな話ではありますが、物語を読む、映画を観る、音楽を聞く、いろいろな物事に触れて楽しむ、驚くなど、実際に何かをやってみて体感していくことをどんどん広げていってください。きっと大きな成長につながると思います。

いくら効率がよいからといって、相手が不慣れなツールを使っていると、意図が伝わらないばかりでなく、不信感も生むことになるため、コミュニケーションをとりながら状況を把握し、臨機応変に対応していくコミュニケーションスキルが必要です。

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