フリーランスのイラストレーターをやっています。独立して3年目、現在32歳で年収は100万~200万を行ったり来たりという感じです。
仕事内容はチラシやWEBサイトのカットイラストから書籍の表紙、店舗の内装など、イラストに関連する内容であればデジタルからアナログまでタッチを問わず、幅広い業界を相手に制作に取り組んでいます。
- ビッグネームでもない限り単価が安い
- 継続性のある仕事が少なく、不安定
- 依然として出版社など大手メディア企業の圧力が強い
- 無料ダウンロードサイトが台頭してきており、仕事が減っている
フリーイラストレイタ―の将来はどう変わるの?
はっきり言って、現状でもイラスト業界は一握りの売れっ子がイラストだけで食べていけるような現状で、フリーイラストレーターは他の仕事等をしながら何とか生活できているという人がほとんどだという印象です。
出版不況や無料コンテンツの台頭により、この労働環境が将来的に良くなっていくという希望もあまり見えてきません。
AIによる描画や着色ソフトなども日に日に登場してはアップデートされているので、現存する「フリーイラストレーター」という職業は将来性が薄いといえます。
イラスト自体の需要は増えている現実はある
しかし、イラストの需要が無くなるというわけではなく、むしろその必要性はテクノロジーが発展するにつれて増していくと思われます。
インターネットが発達したことにより、従来紙で見るものだったメディアがWEB上の画像に代替され、新たな需要が生まれたように、イラストというコンテンツ自体は形を変えてもその需要が無くなることは無いように思います。
円滑なコミュニケーションの手段の一つとしても、イラストレーションの重要性は近年見直されつつあるとも感じます。
イラストの無料ダウンロードサイトがここ数年活況を呈しており、一般にも定着しつつあると強く感じます。
従来はイラストレーターに発注していたようなカットを、無料でダウンロードできるという新たなシステムですが、まさに日常生活におけるイラストの必要性を実感させるサービスです。
ダウンロードに応じてイラストレーターに報酬が支払われるので、形は変われどイラストレーターという仕事は今後も存在し続けると思われます。
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中にはAIを用いて大量生産されたようなイラストも存在し、数多くダウンロードされているようですが、そのようなイラストが席巻し、飽和状態になるにつれ、人間味のある唯一性のあるイラストが相対的に需要を高めているようにも感じられます。
AIの登場によって無くなる作業はあるかもしれませんが、思考し、表現するおおもとであるイラストレーターが絶滅するということは考えにくいと思われます。
フリーイラストレーターがAIに仕事を奪われないようにすべきこと
フリーイラストレーターの仕事がAIにとって代わられるのはある程度仕方のないことと思います。
むしろ、従来の方法にこだわってAIを無視し続けるようなイラストレーターは淘汰されていくと感じます。
イラストレーターの仕事はクリエイティブな部分と作業的な部分に分別できることができ、誰がやっても変わらないような作業的な部分では大いにAIを活用すべきだと感じます。
それによって全体の仕事が効率的になり、空いた時間でよりクリエイティブに注力することができるからです。
そうなると、どんどん技術が発展して人間と遜色ないレベルに技術が達した時、イラストレーター自体が不要になるのでは?
という話にもなってくるかと思われますが、次の二点を念頭に置くべきだと考えます。
- AIがやりようのないことをやる
- AIがやる意味のないことをやる
まず①に関しては、人間しかできないことです。AIはクライアントと飲みに行くこともできませんし、展示会を開いて見聞を広めることもできません。
人間だからこそできる付き合いや根回しなど、営業的な側面に注力していくべきでしょう。②に関して言えば、AIの正確性、再現性を逆手に取った人間味のあるアナログ的な部分の重視です。
作家のタッチや作風、クセなどを完全に再現できるロボットが登場したとして、そのロボットにサインをもらいたいとは思いません。
クリエイターの原画やラフに価値を見出す人もいますが、ロボットが全くそれと同じものを大量生産したとしても、あまり需要は無いでしょう。
つまり、作家のオリジナリティ、パーソナリティはとって代わりようがないので、イラストレーターはそこを磨くべきでしょう。
私はデジタルも駆使しながら紙とペンに描くという手法をずっと続けていますが、それこそがオリジナリティ、パーソナリティを生み出し、熟成する作業だと思っています。
将来イラストレーターの仕事で必要になってくるスキルと資格
就職や転職で企業イラストレーターとして活躍したいならば、adobeのillustratorやphotoshopなどのスキルはあるにこしたことはありません。
多くの企業が共通して活用しているツールなので、仕事を円滑に進める上では必要不可欠でしょう。
日本のクリエイティブに憧れる外国人労働者が激増していて現場もグローバル化している割には日本語しか話せないというクリエイターが多いのが現状なので、語学のスキルもあると会社などでは重宝されるでしょう。
英語が日常会話レベルで話せるだけでも、イラストレーターとして一歩先に進んだといっても過言ではありません。
また、アニメーション制作会社やデザイン事務所など、イラスト業界はほぼ激務で労働環境も良いとは言えませんので、それなりの覚悟と体力を備えておく必要はあるでしょう。
昨今のクールジャパンにおける働き方改革などで健全な労働環境を提唱している会社も稀に存在するので、余裕があれば会社見学やOB訪問などで限りなく現場に足を運んで吟味した方が良いでしょう。
実際に職場を目で見て空気を感じ取るだけでもだいぶ違ってきます。
最後に、企業イラストレーターになるにしてもフリーランスの道を選ぶにしても、自分のタッチ及びパーソナリティを確立するというテーマは掲げておいた方が良いでしょう。
やはり端的に一言で表せるような画風を持った人は声が掛かりやすいし、仕事にもつながりやすいです。
また、ある分野に特化していて非常に知識があったり何らかの実績(イラスト以外の)がある人も同様です。
抜きん出た特徴のあるイラストレーターは、上手い下手に関わらず仕事の機会を得る可能性が高いというのは事実なので、常に自分の興味関心を広げ、深めていく姿勢も己を助けます。
また同時にSNSやブログなどのメディアを持ち自分で情報発信をしていけば作品を広めることも可能です。
給料はなかなかか伸びず悲観している皆さんも、需要はある業界なので努力して生き抜いて行きましょう!!
あなたの業界の意見お待ちしています!