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AIで建築設計の仕事はなくなる?建築事務所14年の私が将来性を語る

建築設計事務所で勤続年数11年になります。年齢は37歳で、産休を使用する前の年収は380~400万くらいです。

仕事の内容は、工場、倉庫、学校などあらゆる種類の設計をすることができる組織設計事務所で、業界の中でもそれなりに有名なところです。

そこで「意匠設計」をメインの内容に仕事をしていました。具体的には、顧客との打ち合わせ、建物のデザイン、各関係者との協議などです。

  • 業務量が莫大かつ広範囲のため、大型案件の担当者ともなるとまともな生活ができない。
  • 未だに「経験知識」が大いにモノを言う業種のため、若手は経験不足で非効率な仕事が多い。
  • 「お客様第一主義」が当たり前の雰囲気で、仕事がこちらでコントロールできない。
目次

建築設計の仕事はAIでできることが多い

この業種が完全にはなくならないと思いますが、将来性は低くなると思います。建築設計は「独創的なオリジナルのデザイン」を提案していくイメージがあると思いますが、現実的には「完全なオリジナル」は不可能に近いです。

過去における優れた建築家であっても例外でなく、設計者の生い立ちや、見てきたもの、感銘を受けてきたものなど、「外部から吸収したものを、オリジナルでブレンドする」ことに長けていることが必須条件です。

この過程自体が非常にAIによって形態が大きく変わる部分だと思います。

例えば、現状の設計プロセスにおいては「クライアントの要望」をインプットし、「最適な設計提案」をアウトプットします。

このインプットとアウトプットは本来AIの方が得意なはずです。

設計者が過去の経験や、建築雑誌を見て勉強してひねり出したものより、AIのビックデータの方が膨大な情報の中から、最適な情報を見つけ出すことができます

人間が設計する場合は、参考になる情報を独自に組み合わせ最適解を探し、それを図面化して提案するということになります。

しかし、AIではより最適な情報を用いて、独自にそれらを組み合わせて図面化できる段階に限りなく近づいています。

学習能力も年々高まっているため、人間の成長スピードと比較したらはるかに優秀と言えます。

そのほかにも人間の設計者の場合、限られた時間でのアウトプットを目指すと、必然的に仕事時間長くなります。

設計の良し悪しが、情報の集積・オリジナルのブレンドということを考えると時間が許す限りその仕事に向き合うことが最大の効果を発揮します。

人間の設計者の、食事・睡眠など体力は24時間続きません。

ところが、AIは体力的な問題はなく、限られた時間の中で常に全力で活動することに長けています。逆に言うと、顧客に対して常にベストな提案ができる準備があります。

この時点で、人間の設計者ではすでに太刀打ちできないほどのポテンシャルを秘めていると思います。

建築設計の仕事でAIに出来ないことは何か?

情報の収集能力や学習能力については、現時点でAIの方が優秀です。

しかし、建築設計においてもう一つ大切なことは、「収集した情報を独自でブレンドし、最適な提案をする」ということです。

この部分に関しては、現時点では人間の設計者(その人のセンスにもよりますが)の方が、能力が高いと思います。

この作業は非常に繊細で、この世にまったく同じ建物が存在しないのと同義だと思います。

例えば、クライアントが「冬の日差しが降りそそぐ、心地いい窓がほしい」となった時を想定します。

AIであれば、まずその敷地の緯度・経度から、その部屋の冬の日照条件を自動でシミュレーションし、「最も冬の日差しが降りそそぐ」最適で完璧な窓の形状を提案できます。

しかし、問題は次の「心地いい」という要望です。この「心地いい」という感情は個人差があり、正解はありません。そのためAIでこの部分の最適解を出すことは現状ではできないのです。

これが人間の設計者であれば、そのクライアントの人物像や、持ち物、要望のトーンなど、より繊細で人間的なものを感じ取ったうえで、ベストな提案をすることができます。

そのため、AIにとって代わられないため、このAIでは最適解を出せない「個人差があるものを、独自のセンスで提案する」という部分に関する感性を日々鍛えるようにしています。

具体的には、ふと言葉に出る感情のデザイン化です。街を歩いてて「なぜかは分からないけどこの場所雰囲気いい」とか、「気分がいら立っているときにこの場所に来ると落ち着く」など、人間の感情と結びつくデザインはどのようなものか常に考えるようにしています。

この個人差のあるものをAIが処理できるようになったら、人間の設計者は提案をチェックするくらいしか仕事がなくなってしまいそうです。

しかし、過去の有名建築家が考えてきたような発想は、AIではできないだろうなとも感じます。

今後建築設計の仕事で働きたい人に必須のスキルとは?

最近では、おしゃれで女性にも人気の高いイメージの建築設計事務所という職場ですが、仕事の内容はおしゃれとはかけ離れたものが多いです。

「デザイン」をする以前に、建物を作るうえでの法規や、現場での施工技術、職人とのコミュニケーションなど、昔ながらのやり方で行う「事務仕事」をこなす必要があります。

そのため最初から「デザイナー」的なものをイメージしているととがっかりするかもしれません。

しかし、基本的な事務仕事を覚えてしまえば、より「デザイン」にかける時間を確保することができます。

そこに行きつくにはいわゆる「修業期間」を乗り越えなければなりません。

また、近年の流れとして、若手の離職を避けるため、そうした修業期間をあまり行わず「デザイン」に専念させる風潮があります。

昔ながらの仕事スタイルが根強く残る建築設計業界ですが、必ず取得すべきなのは「一級建築士」で、これについては昔も今もかわりません。

CADが主流の時代に手書き図面を描かせるという時代錯誤な試験ではありますが、資格取得に向けて行う勉強は必ず将来の役に立ちます。

これから先、建築設計業界より多様化し、業務の幅が広がってくると思います。

いままで通り「一級建築士を取得して図面を描いていればいい」という時代は終わりかけています。

そのため、一級建築士を取得した後は、より知見を広げるため「建築」だけでなく、「情報分野」や「芸術分野」など幅広く、戦略的に資格を取得することをお勧めします。

建築一本ではなく「建築設計を主軸しながら興味のあるものをビジネスにつなげる」というスタンスが必要になってきます。

近い将来定年の年齢もあがるようですし、長いスパンで自分の職業と向き合っていきたいものです。

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