医療業界、中でも県下3番の規模の病院で臨床検査技師として4年間働いています。年齢26歳、年収は400万円です。
検査技師としての業務は多岐に渡りますが、その中でも患者様から採取した検体主に体表面や針で穿刺したもの、手術で摘出した臓器を詳しく調べる業務を行っています。
検査技師のみで完結する部署ではないため、病理医師と共に仕事を行っています。
【 臨床検査技師業界が抱える問題点 】
- 検査部門の中で人間の臓器など定型化しづらい検体を扱うため人の手無しに業務が完結できない。
- 病院のシステムと検査部門のシステムが同一でないため、検査結果の反映に時間がかかる。
- 検査の部門だけで8部門あり、人員が固定化しているため緊急時の代替が効かない。
臨床検査の仕事は8割ぐらいAIロボットで消えてなくなる
医療業界は無くならないまでも、臨床検査の8割方AIに代替されると思います。
給料は生き残れた人には上がり、現在の上位層のニーズは高まり中間層~下位層のニーズは減少するでしょう。
理由として、検査部門は機械化の流れで人数が減少したという事実があります。
私が務めている病院で、血液検査、尿検査を行う部門は機械化が簡単なこともあり、全盛期の半分くらいの人数に減っています。
検査業界というのは常に高効率でヒューマンエラーを防ぐということを進めています。
その第一段階が人から機械へという流れでした。しかし、機械化では厳密に数値化でき、特別な判断の必要ないもののみ代替可能でした。
そのため、人の数は減らせても定型外のものを人が処理する必要があり、半分程度の人は残る結果になりました。
AIの判断の元ととなる膨大なデータは定形外のものをある程度定型化すると考えています。
血液や尿などの検査は現在こそ多少の定形外があるもののデータが集まれば定型化されてしまうことでしょう。
そのため検査部門の8部門のうち半分の4部門程度は人がいらなくなると思われます。
そして、自分が所属している部門である病理検査部門も診断においてAIが研究開発が進められており医師の診断と数%しか変わらない正診率を出したという結果もあります。
また、検体の処理に関しても、まだ実用段階には遠いですが、個々の検体の材料特性を判断して処理を行う機械が研究されています。
遠くない未来に実装されれば業務の大半はAI搭載した機械へと代替されていくとされています。
この際、人間は前述したAI搭載の機械の結果を確認するダブルチェックやAIでも弾かれてしまう数%の検体処理の業務にシフトしていくことでしょう。
そのような業務を行える人間は高度な知識が要求されると同時に機械が代替してしまった業務の原理を理解し、エラーやトラブルに対処しなければならないので絶対数が少なく、ニーズも給料も上昇することでしょう。
臨床検査技師の仕事でAIに取って代わられず残る分野は?
AIの高効率化から代替は不可避であり、とって代わられないという視点でなく、共存するという視点で考えるのが検査業界の現状となっています。
そのためにするべきことは、どの業務がAIにとって代われるか?
そしてどの業務に関してAIが研究開発されているかを知っておくことです。
そうすれば逆算的に人の手が残る業務が見えてくるはずです。私自身は、検体処理の部分は9割方代替される未来がくると考えています。
しかし、そのレベルに代替されるまでに20年はかかると思います。
なぜなら現在工程の2割程度は機械化できているのですが、残り8割は相当数データを集めなければ難しいからです。
そしてその8割の部分は施設間差や特殊な検体のデータを全国規模で集計しなければならず、人の利害関係も絡むためデータ取集が難航すると考えているからです。
その他の業務で考えると遺伝子分野の業務はAI代替が難しいです。
何故かというと、新しい分野の検査だからです。
まだ遺伝子について分かっていないことも多く、蓄積するデータの選択に時間がかかると思うからです。
新興分野はAI導入までに時間がかかる
これらのことから、AIとの共存と考えた際、対応策として新興分野への業務開拓が必要だと考えます。
現在の業務がAIにとって代わられることは仕方のないことです。
何故なら、AIは過去の積み重ねを効率転換するため長くデータを蓄積してしまったものはどうしてもAIの張り込む余地が出てしまうからです。
そのため、人間が新規で開拓していく役割を担う比重が大きくなると考えられます。
つまり、新しく開発される検査や技術を積極的に採用して実用化したりAIの導入前のデータ蓄積する前段階の業務などを専門に生き残る道を模索し続けるのが上策だと考えています。
今後、臨床検査技師の仕事に必要な資格と勉強方法
検査業界的にはルーチン業務を行う人という立ち位置での需要はなくなっていきます。フロンティア精神を持った働き方ができるような下準備を行った方が良いでしょう。
具体的には大学で現在流行りの分野、例えば遺伝子、薬剤耐性菌など医療業界で課題として上がっているものを探し、その分野の20年後を想像して学ぶことです。
教科書に載っていることは10-20年前のことなので、その知識はベースと考え、地域で開かれる勉強会に積極的に参加して最新の情報を得ることです。
業界的には、高効率化されたものが多いので、新規で入ってくる人にとっては検査という業務が見えにくいです。
しかし、機械の中で行われていることは教科書に載っているやり方と変わらないので可能ならいくつか病院を見学なり、体験なりさせてもらい自分の入る業界の一日の動きや機械と検体の動きを直接見たり体験させてもらうことです。
資格に関しては検査技師で学生時代に取れる資格は限られています。
取れる資格に関しても業務上有用なものは取得できる学校が少なく、現実的でないため、資格取得よりも座学と現実、未来のイメージのすり合わせをしておくのが有効でしょう。
特に検査業界は就職してから病院にもよりますが、8部門どこに配属されるか分からないため、自身の希望する部門に特化した勉強や訓練を積んでおいた方が良いでしょう。
まんべんなくできることも大切ですが、他人にアピールできる分野があれば、就職の際その分野に配属される可能性が高くなります。
検査業界のニーズはプロフェッショナルからジェネラリストそしてAIが導入されていくとまたプロフェッショナルへと変遷していっています。
何でもできるからこれだけは誰にも負けないにニーズが変化してきています。
特化した知識や意識を就職前からもっておくことでAI時代の生き残り競争でも優位に立つことができるでしょう!
あなたの業界の意見お待ちしています!