イベント・舞台・ライブ関係の照明会社で働いている35歳です。いわゆるイベント業界です。
勤続年数はもうすぐ10年で、年収は450~550万円です。年によってボーナスが結構変わるので、年収は幅があります。
今の役職はチーフです。イベントごとにチーム編成がされていて、そのチームのリーダーという位置づけです。
照明機材の搬入・設置・操作・撤去・搬出が主な仕事です。
照明業界できつい部門と仕事内容について
まずは簡単に照明業界の仕事を説明します。
- 大道具・・道具そのものの制作
- 電飾・・道具への飾りつけ
- 機材搬入と納品
- 映像制作・・照明を使った映像クリエイティブ
- 特殊照明効果
一言で照明と言っても仕事が分かれています。
この業界で一番きつい部門と言ったら、大道具や電飾だと思います。
自分たちの照明もその次くらいには入ると思いますが・・・。
イベント開催までの仕事の流れについて
1つの舞台やライブが終わるまでは以下のような工程があります。
- セットの制作
- 電飾の飾りつけ
- トラック搬入とセットの組み立て
- 電飾操作のプログラミング
- 機材の撤去
これらすべてを数週間単位で行う非常に忙しい業界です。
大道具は、まずセットの製作があります。イベントごとに違うので、毎回毎回作ります。
せっかく完成しても変更なども出てきて作り直しになることも結構あります。
電飾もその大道具が作ったものに取り付けるので、同じように毎回製作し、作り直したりもあります。
イベントは日時が絶対に決まっているので、納期をずらしたりは出来ません。
それだけでも大変なのに、イベント現場でもやらなきゃいけないことがたくさんあります。
トラックで搬入し、セットを組みます。
フォークリフトを使ったり、高所作業や力仕事もあります。
大体、イベント本番の何日か前からしか会場などは借りていないので、本番前のリハーサルなどに間に合わせるために公演によっては徹夜で作業します。
セットが完成するまではぶっ通しで仕事になります。
無事にセットが完成したら、本番で使用する電飾操作のプログラミングを打ち込みます。
演出家や出演者の要望に沿うように打ち込みます。
本番ではその操作をし、不具合があればその場で邪魔にならないように対処をしたりもします。
本番が終了したら、セットの撤去です。
設置した時の逆の工程で撤去をしていき、トラックで搬出をします。
照明は現場前の製作作業は無いのですが、大道具と電飾はこの流れの全ての作業に関わるのでとても大変な部門です。
照明需要のある3つの部門
最近需要が増えてきている部門は以下の三つ。
- 映像部門
- レーザー部門
- 特殊効果部門
これら3つの部門にはITスキル・プログラミングのスキルが必要になってきます。
3部門はどのイベントにも絶対に欠かせない部門ですので、イベントがある限り需要は無くなることはないです。
むしろ、常に人手不足くらいの勢いなので、今後もどんどん大きくなっていくと思います。
イベントもどんどん内容が進化していくので、それに合わせて内容も近未来化してきてるので、これらの部門の出番が増えてきています。
急に需要が増えてきたからか、ボーナスも急に上がったと聞いたこともあります。
AIで仕事がなくなりそうなのは電飾の分野
AIやプログラミングのせいで無くなりそうな部門としては、電飾が危ういです。
何だかんだ完全に無くなることはないかもしれませんが、電飾でやっていたものは映像でも出来るので、電飾ではなく映像に変わってしまったものも実際に結構あります。
今までは電飾部門担当だった人が映像部門や照明部門と兼任になったり、電飾部門の人たちのボーナスがカットされたりは既に行われています。
数年後にはAIが自動で背景にあった電飾を流すということも考えられます。人がやるより誤差が少ないし、危険性も減りますので・・。。
照明業界はやはり自粛で仕事が激減している
照明業界の主な仕事は現場仕事なので、自粛でもろに影響を受けて仕事が無くなりました。
打ち合わせや図面作成ならリモートやテレワークで出来るので、その点はどこでも出来るようになったので楽にはなりました。
今までは実際にイベントを行う会場で打ち合わせをしたり、地方で行う時は現地に何時間もかけて行っていたのですが、リモート会議も徐々に浸透してきていて、遠い場所までは行かなくて大丈夫になってきているので、助かります。
ただ、肝心なイベントが制限されてしまったので、仕事自体が中止や延期になってしまったりで、休業してしまったところもあります。
照明業界の懐事情はかなりきついのは事実です。
配信イベントに切り替えて行ったイベントもありますが、配信だとそこまで大掛かりなセットや環境は必要ありません。
ですからスタッフの人数も本来のイベントをするよりも減らされてしまったり、チケットの価格も配信だと安くせざるを得ないので、収益自体が減ってしまって、今の状況はきついです。
イベント事態の需要はお客さんからの要望も多く、開催さえ出来れば安定した業界だとは思うのですが、開催が制限されている今の状況だと乗り越えられないところも出てくると思います。
ニーズがあっても開催が不可能なのが歯がゆいです。
今は新たな人材も採用していないので、元に戻った時に若手が少なくなってしまうのが懸念されます。
開催が出来ないからグッズで収益を得ているところもあります。
イベントはやらないけど新たなグッズを製作し、それを通販して何とか売り上げにしています。
ただ、照明の仕事とは関係のない部分も多く、会社としては保てていますが、それぞれの部門で売り上げが全然違います。
今後、照明業界に就きたい人へのアドバイス!
今のこのコロナの状況だと、新たに採用するのを躊躇しているところばかりだと思うので、今は就活しても不採用か、そもそも募集自体がほとんど無いのが現状です。
でも、コロナの終息が見えて、イベント開催が活発に行われるようになったら、一気に募集が増えます。
やっぱり人は外にでて大騒ぎし、コミュニケーションを取りたい生き物だと思います。
だから、仕事自体が本当に0になって消えてしまうようなことはないです。
一部の部門は配信の方に顧客を奪われるので仕事がなくなる可能性はあります・・。
この2年の間に新たな人材が増えなかったことによる若手不足を補うために、確実にどこも採用活動が活発になります。
なので、今は希望通りに就職できなかったとしても、数年後には可能性が広がるので、そこまでの長期間で見てほしいと思います。
この業界に入ったら、休みは不定期で時間も不規則なので、毎週決まった曜日の習い事は出来ないと思った方が良いです。
不規則な生活になるので、体調管理や体力づくりは必須です。
徹夜で作業することもたまにあるので、体がしっかりしてないと、仕事にも集中出来なくなるので、健康第一です。
あとは、SNSなどに依存しないこと。
この業界は情報管理が結構厳しいので、プライベートでもSNSなどの利用を禁止しているところもあります。
どこで情報が洩れるか分からないし、1回流出してしまったら元に戻せないので、管理は徹底しています。
なので、仕事には全く関係なくてもSNSを頻繁に利用していたりすると、あらぬ疑いをかけられたりすることもなくはないので、SNSからは一線置いたほうが面倒なことも起きないです。
情報管理はSNSもですが、それ以外も徹底していますので、あまりにだらしなさ過ぎて信用がないような行動は慎んだ方が良いと思います。
あなたの業界の意見お待ちしています!