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出版の仕事はAIでなくなるのか?地方で働く33歳の現場の声を届けます!

会社名は伏せますが、地方出版社で編集者として雑誌編集・企画・制作に関わっています。新卒で入社して11年目になり、現在は33歳。

年収は年2階のボーナスを入れておよそ350万円ほどです。

仕事は主に特集企画の立案や取材・ライティング、原稿確認やチェックを経ての入稿作業までと多岐にわたります。

インターネットとの連動もしているのでそちらの業務が発生することもありますね。

【 地方出版 】

  • 業界としては非常に古い体質で、作業が煩雑な割りにいまだにほとんどの仕事がアナログです。
  • ミスやトラブルを防ぐための対策が、人の手・目によるものなので効率が悪いです。
  • マンパワーに頼り切っているので、人員は長時間労働になりやすいと思います。
  • そのくせ、「あこがれの業界」というイメージがあるのでみんなワーカホリックぎみな気がします
目次

実際出版業界はAIと電子書籍で衰退している

新聞・雑誌・小説など、紙媒体はどれも電子書籍の普及にともなって衰退の一途をたどっています。

働く人たちは長時間労働の割りに給料も安く、自己犠牲の上に成り立っている職業だとつくづく感じます。

本を読む人は減っているし若い人はインターネットやスマホばかり使っているしで、将来的にも上昇することは期待できないと感じています。

ニュースや速報などは自動書記で書けるようになりますし、これ以上新しい地方メディアが期待されているとは思いません。

でも、AIでなくなってしまうとは思えません。それはひとえに「出版業界へのあこがれ」のおかげだと思っています。

出版業界でも衰退するジャンルは分かれてくる

これからの出版業界は大きく衰退する業界と生き残る部分に分かれてくると思います。

企画力が肝といえる職業なので、「人が考え、人が作りだす」ことに最大の意味があります。

社会的な意味や需要・将来性がインターネット業界に取って代わられてしまっても、消費者の世間的な需要は、少なくはなっても消えてしまうことはないと思います。

そのためには、私たち現役の業界人がクリエイティブであり続け、あこがれの職業と言ってもらえるよう維持し続けるのが一番の対策であると思います。

ただ、似たような業界・新聞社で働いている友人はいつも「インターネットに押されて、いつか新聞はいらなくなる」と言ってますね。

わたしはそれも、新聞は雑誌に比べてクリエイティブな要素が少ないからだと分析しています。

ニュース記事などはほとんど大手配信会社の流用ですし、個人的な意見や主観を挟む余地があまりありません。

読者層・購買層も圧倒的に高齢の世帯が多いので、だんだん部数が落ちていくのは予想できることです。

将来性という観点からしても、新聞関連は衰退し、今後の繁栄は難しいように思えます。

反面、小説は一部コアなファン層はいなくならないので残るのではないかと考えています。

こちらも「作家」という職業へのあこがれ、クリエイティブな要素がそれを支えています。

作業的には手書きはなくなりパソコンで、にはなるかもしれませんが。

その点はどんな業界でも業務効率において変化が必要不可欠なので仕方ないのでしょうね。アナログ派としては寂しい気もしますが?

出版業界で今後生き残るためのスキルとは?

先ほど分析したように、業界や働いている人たちがクリエイティブであり続け、あこがれの職業と言ってもらえるよう努力するのが一番の対策であると思います。

そのためのイメージ戦略が肝要であると考えています。

幸いプロモーション分野は得意な業界ですしね。

テレビ・ラジオ・インターネットを活用していくのも有効だと思います。

また、作業としてもインターネット業界やAIと上手くコラボレーションし、利用・共存することで効率化を図ります。

思い切った改革が必要で、それはゆくゆく業務がスムーズに進むことによる待遇改善にもつながるはずです。

そうすれば、新しくこの業界に入ろうと思ってくれる就活生の獲得にもなります。

業界を盛り上げていくためには急務です。

それから、編集者にはこれといった資格がありません。

スキルアップ、評価アップのためにも「編集」「出版」「企画」に関する国家資格を作ったり、会社の社内制度としてなにか資格を設けるというのもいいかもしれません。

最後に、雑誌にもいろいろあるけど、個人的には特定の得意分野をそれぞれがもつことでスペシャリストを目指す必要があると思っています。

たとえばですが同僚はおしゃれでセンスがよく、ファッションの企画や知識だけは誰にも負けない自信があるそうです。

私は、ケーキが好きで、全国のパティスリーを食べ歩きますし、ケーキそのものの知識も豊富に持っていると思います。

部内には、校正・校閲を得意とし、どんな文章の矛盾や誤字脱字にもいち早く気づく目を持っている人もいます。

一人ひとりがスペシャリストになることで、AIにはけして負けないオリジナリティが産みだせると考えています。

それが人間の仕事であり、職人性ではないでしょうか?

出版業界に入るなら強いこだわりが評価される

これから就職活動をして出版業界を目指すという人に伝えたいのは、大きく分けて2点あります。1つ目に、「これだけは負けない」という得意分野を育てておいてほしいということ。

最初のきっかけは単純に「好き」からでいいと思いますし、そのほうが長く続くと思います。

今周りを見ていると強いこだわりがない人、器用貧乏は生き残れなくなっていると思います。

アパレル業界の人にも負けないほどのファッションへの知識と想いを育てる、焼肉屋さんになれそうなほど精肉や経営のノウハウを持っているなど、何でもいいのです。

その分野において誰かに頼られるようになれれば、自分のスキルとして誇りを持てるようになります。

そのためには個人ブログでメディアを作っておくとよいでしょう。

また、2つ目に「自分を磨き続けること」。

向上心がなくなる、アイデアが産まれなくなったり変革ができなくなることが業界人として一番怖いことです。

クリエイティブな仕事には、多彩な人間力がもっとも重要な要素だと感じています。

出版業界だけにとどまらず流行に敏感であること、常にアンテナを伸ばしておく好奇心を養ってほしいと思います。

また、編集であっても営業であっても、客先に出向いたり外注スタッフと接する機会が多くなるので、話題が豊富であることとコミュニケーション能力が高いことも将来的に非常に役立ちます。

そのためには、今できる経験は惜しまないように心がけてください。どんなささいな経験でも、きっといつか役に立つはずです。

先入観を持たず付き合いの幅を広げるようにして、できればそのための経費も惜しまないことをおすすめします。

資格という面では、得意分野に関する資格ならなんでもいいし、面白いほうがいいと思います。積極的に「話のネタ」を作って欲しいと思います。

最後にひと言。同じ紙媒体でも、新聞はおすすめできません。新聞業界に入るなら経験を得ての転職を視野に、と加えておきます。

お金儲けをしたくて出版業界に来る人はいないと思いますが、変わり者が多く楽しい世界です。公開のないようによく検討してください。

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