私はメガバンクに新卒で入社し二年間勤務しています。年齢は24歳、年収はざっくり400万です。現在は法人営業を担当しており、主に中小企業中心に50社の担当と新規周りを行っています。
既存の担当先に対しては融資の提案はもちろん、日々のヒアリングで得た経営課題に対するコンサルティングをしています。新規周りは接触数を見られているので、日中は外に出ずっぱりという形です。
- 銀行全般の問題としては、融資で稼げなくなっていること。
- 他行との顧客の奪い合いになり、金利がどんどん下がっている。
- 収益環境の悪化によって営業ノルマが高くなり、結果的に営業人員が疲弊している
- フィンテック等の新技術により提供できるサービスは多様化している
- 増え続けるサービスにに従業員が対応しきれていない
メガバンクの現状と将来性について
銀行業務に関しては現在変革の真っ最中にあると考えています。日銀の金融緩和により銀行の収益環境は悪化し、既存のビジネスモデルが通用しなくなっているからです。
お金を貸す会社ではなく、金融を通じて得た情報をもとに経営全般に関するコンサルティング業務を行う会社へと変革する必要に迫られています。
特にメガバンクは証券・信託との連携を深めるとともに、IT企業を中心とした異業種連携を行いあらゆる課題に対応できるようになりつつあります。
その点ではこうした変革が成功すれば手数料で稼ぐビジネスへの将来性はあると考えています。
しかしメガバンクだけではなく、最近ではネット銀行の台頭や通信会社等異業種からの参入が相次いでいます。
現在よりもさらに競争は厳しくなると予想されるため、個人的には過度な期待はしていません。
むしろ銀行自体が扱うことができるサービスが増加し、現場の人間の負担は重くなるのではと感じています。
メガバンクの仕事はどこまでAIでなくなるか ?
メガバンクでも銀行の事務員に関しては、少なくとも半減はするのではないでしょうか?
実際にAIを有効活用した店舗を実証実験として行っているところもありますが、そうした店舗では全く事務員を置かないケースもあるようです。
一方私のような営業マンはどうかというと、個人的にはなくならないと思います。
先に説明したように、銀行の今後のビジネスモデルは総合的な金融コンサルティングを通じて手数料を稼ぐことです。
コンサルティングを行うためには顧客と信頼関係を築き、顧客の情報を蓄積していくことが重要です。
私はこうしたことは人間でないと難しいのではないかと思います。相手が人間であるからこそ信頼できるし、自分の悩みを相談できるのではないでしょうか?
AI時代でも給料が上がりニーズが増えるか?
長期的な視点ではあり得ると思います。AIは銀行業務の効率化という点では大いに活用できるので、経費削減が見込めます。
また提供できるサービスが多くなるので、営業マンの業務量は増えると予想されます。そうした場合それに見合うように給与を増やすということは、なくはないことかなと思います。
メガバンクの仕事がAIでなくならないためにすべきこと
メガバンクの仕事がAIでなくならないよういすべきこと、これは、知識です。
一番はAIを活用できる人材になることだと思います。
先ほど書いたように、営業マンに関してはAIにとって代わられることは少ないとは思いますが、AIを活用できるか否かで営業成績は大きく変わってくると予想しています。
AIではないですが現段階でもフィンテックを活用した営業支援システムは続々とできています。
そうしたところから得られる情報を活用して、顧客もまだ気づいていない潜在的な経営課題を見抜き提案を行うことが求められているのです。
したがって今まで通り顧客と信頼関係を気づき、時にはお願い営業でゴリ押しするスタイルは通用しなくなってくるのかなと感じています。
メガバンクで生き残るために必要な3つの知識
私がとっている対策は「幅広い知識をつけること」と「新商品や新システムを積極的に活用すること」の二つです。
前者に関しては、具体的に不動産・資産承継・事業承継に関する知識習得を行っています。
この人だから相談してみようと思ってもらえるのが人間がAIに負けない点だとは思いますが、その人間が前提となる知識を持っていなければ信頼も相談もしてもらえません。
1人の営業マンに資金調達だけでなく、不動産や承継といった相談もできれば顧客からしてみても「コイツ使えるな」と感じてもらえると思います。
後者に関しては具体的に、「新商品が開発されたらとにかく提案してみる」「新システムが開発されたらすぐ営業に利用する」といった点を心掛けています。
AIやフィンテックは銀行業務にとっては強みになるところが多く、これらを活用することで収益獲得のチャンスが広がると考えています。
そのため新しいものに対する抵抗をなくし、どんどん利用するという意識を持っています。
AI時代はメガバンクの仕事はコンサルに変化する
メガバンクの総合職になるという前提でお話させていただきます。
まずお伝えしたいのは「銀行はもはや銀行ではなくなる」ということです。
一昔前の融資で稼ぐというイメージは持たない方がいいです。
銀行業務はどんどん多様化し、あらゆるサービスを提供し企業の課題を解決していくコンサルティング会社になっていくと思います。
また今までは銀行同士の戦いであったのが、異業種ともビジネスの領域がかぶり競合が増えてくると予想されるため環境は厳しくなるでしょう。
少しネガティブなことを書きすぎましたが、視点を変えれば、扱える業務が増えるのでより顧客の役に立つことが出来るとも言えます。
人のためになることをしたい、経営者をサポートしたいという思いを持っている方はやりがいを感じることはできるのではないでしょうか?
メガバンクに入る前にとっておいた方が良い資格と心構え
とっておいた方いい資格としては、日商簿記やファイナンシャルプランナーはもちろんのこと、宅建も有効かと思います。
銀行が不動産の仲介等の業務を行うことはできませんが、不動産に関する会話ができるだけでも他の営業マンとの差別化を図ることが出来ます。
あとは資格とは変わりますが、常に世の中の動向や新しいものにアンテナを高くはっておくことが重要かと思います。
また現段階でのお放しにはなりますが、銀行の営業ノルマは厳しいです。
あらゆる項目がノルマとして課され、点数化され支店全体の成績となります。
受け持った数字にはコミットする必要があるため、当初抱いていたイメージとのギャップを感じ辞めていく人が多いのも現実です。
そうした困難な状況でも「顧客のため」という思いを忘れることなく、なおかつ目まぐるしく変化する環境にチャレンジできる人材が求められていると思います。
ハードルは高いですが日々やりがいを感じることが出来る仕事だと思いますので、この業界を目指す方はぜひ頑張って下さい。
普段から業界関係のニュースには目を光らせ、書籍も貪欲に読んでいきましょう。これからは増すまず個人の力が試されます。
銀行だって今は大量リストラの時代です。個を強くしていきましょう!!
あなたの業界の意見お待ちしています!