「毎日こんなに頑張っているのに、どうして給料が上がらないんだろう…」「このままずっと同じ作業を続けるのかな…」IT業界で働く中で、こんな風に感じたこと、ありませんか?
実は、そのモヤモヤの原因は、業界に根強く残る「多重下請け構造」にあるかもしれません。
ITエンジニアの約7割がこの構造の中で働いているとも言われ、多くの人が知らず知らずのうちに搾取されているのが現実です。
この記事では、そんなIT業界の闇である多重下請け構造のカラクリと、そこから抜け出して正当な評価と待遇を手に入れるための具体的な方法を、私の経験も交えながらお伝えします。
もう、あなたの貴重なスキルを安売りするのは終わりにしませんか?
IT業界の多重下請け構造とは?給料が上がらない仕組みを解説

IT業界で働いていると、一度は「多重下請け」という言葉を耳にしますよね。なんとなく「良くないもの」というイメージはあるけれど、具体的にどんな仕組みで、なぜ自分の給料に影響するのか、はっきりとは分からない人も多いんじゃないでしょうか。
まずは、この業界の根深い問題であるピラミッド構造の全体像と、あなたの給料が上がらない直接的な原因について、分かりやすく見ていきましょう。この仕組みを知ることが、現状を打破する第一歩になりますよ。
【図解】IT業界のピラミッド構造が一目でわかる
IT業界の多重下請け構造は、よくピラミッドに例えられます。この構造を理解するために、まずは登場人物を整理してみましょう。
頂点にいるのが、クライアント(発注者)から直接システム開発などの案件を受注する「元請け」企業です。大手SIer(エスアイヤー)と呼ばれる企業がここに当たることが多いですね。
彼らはプロジェクト全体の管理や要件定義といった最上流の工程を担当します。
次に、元請け企業から仕事の一部を請け負うのが「二次請け(一次下請け)」の企業。さらに、その二次請けから仕事の一部を請け負う「三次請け(二次下請け)」、さらにその下の「四次請け」…と、まるで伝言ゲームのように仕事が下へ下へと流れていきます。
この階層が深くなればなるほど、現場で実際に手を動かすエンジニアの立場は弱くなり、待遇も厳しくなっていくのが現実です。あなたがいるのは、このピラミッドのどの階層でしょうか?
なぜ中抜きが起こる?あなたの給料が低くなるカラクリ
では、なぜ階層が下がるほど給料が低くなるのでしょうか。その最大の原因が「中抜き(マージン)」の存在です。
これは、各階層の企業が次の企業へ仕事を発注する際に、自社の利益や管理費として手数料を差し引く仕組みのこと。この中抜きが、あなたの給料が上がらない直接的な原因になっているんです。
中抜きが発生する理由
- 営業・管理コスト
- 企業の利益確保
- リスクヘッジ費用
例えば、元請け企業がクライアントから月150万円で受注した仕事を、二次請けに100万円で発注します。この時点で50万円が中抜きされますよね。
次に二次請けが三次請けに70万円で発注すれば、さらに30万円が中抜きされます。こうして、実際に作業をする末端のエンジニアに届く頃には、元の金額の半分以下になっている…なんてことも珍しくありません。
この構造がある限り、いくら現場で頑張っても給料が上がりにくいのは当然なんです。
見えない手数料があなたの給料を削っている
「中抜き」と聞くと悪いイメージを持つかもしれませんが、企業が利益を追求する以上、ある程度は仕方ない側面もあります。問題なのは、その金額が不透明で、何層にもわたって引かれ続けてしまうことです。
上流の企業は、下請け企業にエンジニアを紹介してもらうための営業コストや、プロジェクトを管理するための人件費、何かあった時のためのリスク費用としてマージンを設定します。しかし、その割合が適正なのか、現場のエンジニアには全く分かりません。
気づかないうちに、あなたの頑張りが他社の利益に変換されてしまっている。これが多重下請け構造の最も大きな問題点の一つなんです。
あなたの単価、知っていますか?
客先常駐で働いている場合、「自分の単価(契約金)」がいくらなのか、会社から知らされていないケースがほとんどではないでしょうか。これは、会社側が「いくら中抜きしているかを知られたくない」からです。
例えば、あなたの単価が月80万円なのに、給料は30万円だったとします。差額の50万円は会社の利益や経費になりますが、この事実を知ったら「もっと給料を上げてほしい」と思いますよね。
そうした交渉を避けるため、多くの下請け企業ではエンジニアに単価を公開しないのです。自分の価値が正当に評価されていないと感じるなら、それはこの不透明さのせいかもしれません。
あなたは大丈夫?多重下請け構造にいるエンジニアの特徴
「もしかして、自分も多重下請けのピラミッドの中にいるのかも…」と不安に思ったかもしれませんね。ここでは、多重下請け構造の中にいるエンジニアによく見られる特徴をリストアップしました。
もし複数当てはまるなら、注意が必要かもしれません。
下請けエンジニアの特徴
- 自社の先輩がいない
- 案件を自分で選べない
- 給与明細が不透明
- 面談相手が元請け
- 名刺を2枚持っている
これらの特徴に心当たりはありますか?特に、現場に自社の人間が自分一人しかいなかったり、案件が変わるたびに全く知らない会社の人と面談したりするのは典型的なパターンです。自分のキャリアや働き方に疑問を感じたら、まずは自分が置かれている状況を客観的に把握することが大切ですよ。
現場に自社の人間が自分しかいない
客先常駐の現場で、周りを見渡しても自社の社員が自分一人だけ…という状況は、かなり下流の工程にいる可能性が高いサインです。これは、会社があなた一人を「SES(システムエンジニアリングサービス)契約」という形で、労働力として提供している状態。
この場合、現場での悩みやキャリアの相談をできる相手がおらず、孤独を感じやすいだけでなく、正当な評価も受けにくい傾向があります。何かトラブルがあった時に守ってくれる人もいないため、精神的な負担も大きくなりがちです。
案件の面談で、知らない会社の人が同席する
次の案件に移る際の「面談」を思い出してみてください。あなたの会社の営業担当の他に、全く知らない会社の人(二次請けや三次請けの営業)が同席していませんでしたか?これは、あなたの会社と元請け企業の間に、別の会社が挟まっている証拠です。
商流が深ければ深いほど、面談に同席する人数は増えていきます。ひどい時には、誰がどの会社の人なのか分からないまま面談が進むことも…。
こうした状況は、中間マージンが多く発生していることを意味しており、あなたの給料が低く抑えられている原因にも直結します。
これがIT業界の闇!エンジニアを苦しめる多重下請け構造の問題点5選

給料が上がらない仕組みを理解したところで、次は多重下請け構造がもたらす、より深刻な「闇」の部分に目を向けてみましょう。これは単にお金だけの問題ではありません。
あなたのスキル、キャリア、そして精神的な健康にまで悪影響を及ぼす、エンジニアを苦しめる5つの大きな問題点です。もし「これ、自分のことかも…」と感じたら、それはキャリアを見直すサインかもしれませんよ。
【闇1】不透明な報酬体系と搾取されるエンジニア
先ほども少し触れましたが、多重下請け構造における最大の問題点は、報酬体系が極めて不透明であることです。あなたがクライアントからいくらで評価されているのか(=単価)を知らされず、会社がどれだけの中抜きをしているのかも分からない。
このブラックボックス状態が、エンジニアの「搾取」につながっています。
会社側は「給与テーブルで決まっているから」と説明するかもしれませんが、その給与テーブル自体が、高いマージン率を前提に作られている可能性があります。例えば、あなたの単価が20万円上がっても、給料は1万円しか上がらない…なんてことも。
これでは、いくらスキルを磨いて現場で評価されても、全く報われませんよね。自分の価値が正当に評価されていないと感じる無力感は、仕事へのモチベーションを著しく低下させてしまいます。
【闇2】スキルアップが望めない単純作業のループ
多重下請け構造のピラミッドの下層にいると、任される仕事はどうしても限定的になりがちです。上流工程で決められた仕様書通りにコードを書くだけの「プログラマー」や、ひたすらテストを繰り返す「テスター」、システムの監視や簡単な問い合わせ対応を行う「運用保守」といった仕事が多くなります。
もちろん、これらの仕事もシステムを支える上で欠かせませんが、何年も同じような単純作業を繰り返していると、新しい技術を学ぶ機会がほとんどありません。
スキルが停滞する理由
- 単純作業の繰り返し
- 技術選定の権限なし
- 上流工程に関われない
- 学習意欲の低下
IT業界の技術は日進月歩で、3年前のスキルはもう古いと言われる世界です。そんな中で、スキルがアップデートされないまま年齢を重ねてしまうと、あなたの市場価値はどんどん下がっていきます。
気づいた時には「自分には何の専門性もない…」と、転職したくてもできない状況に陥ってしまう。これが、スキルアップが望めない環境に居続けることの本当の怖さなんです。
「誰でもできる仕事」しか任されない現実
なぜ下請けでは単純作業が多くなるのか。それは、元請け企業が「コアな部分は自社で、誰でもできる部分は外部で」と考えているからです。
システムの設計や企画といった根幹に関わる部分は自社のプロパー社員が担当し、製造やテストといった下流工程を、コストの安い下請け企業に任せる。これは企業戦略としては合理的ですが、下請けのエンジニアにとってはたまったものではありません。
結果として、あなたは「歯車の一つ」として扱われ、スキルや経験が求められる面白い仕事に関わるチャンスを奪われてしまうのです。
30代、40代になってもテスターのまま?
20代の頃はそれでも良かったかもしれません。しかし、30代、40代になっても同じようにテストや運用保守の仕事しかしていない自分を想像してみてください。
周りの同年代のエンジニアはプロジェクトマネージャーになったり、専門性を極めてテックリードになったりしているのに、自分だけが若手と同じ仕事をしている…。この状況は、収入面だけでなく、自己肯定感にも大きなダメージを与えます。
スキルが陳腐化し、年齢だけを重ねてしまうと、いざ転職しようとしても「この年齢でこのスキルでは…」と、書類選考すら通らなくなってしまうリスクがあるのです。
【闇3】責任の所在が曖昧で「板挟み」になる現場
多重下請け構造の現場では、指揮命令系統が非常に複雑になります。元請けのプロパー社員、二次請けのリーダー、そして自社の営業担当…と、たくさんの「上司」がいるような状態。
それぞれの立場から違う指示が飛んできたり、言っていることが食い違ったりすることも日常茶飯事です。
一番辛いのは、何かトラブルが発生した時です。「誰の指示でやったんだ」「いや、うちはそうは言っていない」と、責任のなすりつけ合いが始まります。
間に挟まれた現場のエンジニアは、誰を信じていいのか分からず、精神的に追い詰められてしまいます。結局、一番立場の弱い末端のエンジニアが「言われた通りにやらなかったお前が悪い」と責められるケースも少なくありません。
このような環境では、安心して仕事に集中することなんてできませんよね。
【闇4】キャリアパスが描けないことによる将来への不安
今の会社にこのままいても、自分の将来はどうなるんだろう…。多重下請け構造の中にいると、こんな風にキャリアパスが描けず、漠然とした不安に襲われることがよくあります。
なぜなら、目指すべきロールモデルとなる先輩が社内にいないことが多いからです。
将来が不安になる要因
- ロールモデルがいない
- キャリア相談できない
- 評価基準が曖昧
- 会社の将来性が見えない
ほとんどの社員が客先常駐でバラバラに働いているため、社内に技術的な知見が溜まりません。5年後、10年後に自分がどんなエンジニアになっているのか、全く想像がつかない。
会社もエンジニアのキャリア育成に力を入れておらず、ただ案件に「アサイン」するだけ。自分のキャリアを会社任せにしていると、気づいた時には手遅れになってしまうかもしれません。
この「将来が見えない」という不安こそが、エンジニアの心を蝕んでいく大きな要因なんです。
5年後の自分、想像できますか?
少し考えてみてください。今の会社で働き続けたとして、5年後のあなたはどんな仕事をしていますか?給料はどれくらい上がっていますか?もし、その姿が今の自分と大して変わらない、あるいは全く想像できないとしたら、それは危険なサインです。
成長できる環境にいないということは、市場価値が相対的に下がり続けているのと同じこと。キャリアは会社が用意してくれるものではなく、自分で描いていくものです。
今の環境でそれが描けないのなら、環境を変えることを真剣に考えるべきタイミングなのかもしれません。
評価してくれるのは「自社」ではなく「客先」
客先常駐で働いていると、あなたの仕事ぶりを直接見ているのは客先の人たちです。しかし、あなたの給料を決める人事評価を行うのは、あなたの働きぶりをほとんど知らない自社の上司や人事担当者。
このギャップが、正当な評価を妨げる大きな原因になります。客先からどれだけ高く評価されても、それが自社の評価に直結するとは限りません。
自社の評価は「いかに単価の高い案件に長く参画したか」といった、会社都合の基準で決められがち。これでは、頑張って良い仕事をしようというモチベーションも湧きにくいですよね。
【闇5】偽装請負のリスクと不安定な労働環境
最後に、法律的な問題にも触れておきましょう。客先常駐の働き方には、主に「SES(準委任)契約」と「派遣契約」があります。
大きな違いは、指揮命令権がどこにあるかです。派遣契約では派遣先(客先)が直接エンジニアに指示を出せますが、SES契約では自社の管理責任者を通してしか指示を出せません。
しかし、多くのSESの現場では、このルールが守られていません。契約上はSESなのに、実態は客先の社員から直接、残業の指示や業務の細かい指示を受けている…。
これは「偽装請負」と呼ばれる違法な状態です。偽装請負は、企業側が社会保険料の負担などを免れるために行われることが多く、労働者にとっては非常に不安定な立場に置かれることを意味します。
何か問題が起きても法律的な保護を受けにくく、突然契約を切られる「雇い止め」のリスクも高まります。自分の働き方が法律的にグレーな状態にあるかもしれない、という事実は知っておくべきです。
なぜIT業界から多重下請け構造は消えないのか?3つの根本原因

ここまで多重下請け構造の問題点を見てくると、「こんなに問題だらけなのに、なぜなくならないの?」と疑問に思いますよね。実は、この構造は元請け企業、下請け企業、そして業界全体、それぞれの立場にとって都合の良い側面があるからこそ、根強く残り続けているんです。
この根本原因を理解することで、なぜ自分が今の状況に置かれているのか、より深く理解できるようになりますよ。
原因1:元請け企業のリスク分散とコスト削減
まず、ピラミッドの頂点にいる元請け企業側の視点から見てみましょう。彼らにとって、多重下請け構造は非常に便利な仕組みなんです。
大規模なシステム開発プロジェクトでは、時期によって必要なエンジニアの数が大きく変動します。全てのエンジニアを正社員として自社で抱えると、仕事が少ない時期には人件費が大きな負担になってしまいます。
そこで、下請け企業を使うことで、必要な時に必要なスキルを持つ人材を、必要な期間だけ確保することができます。これは、人件費という「固定費」を、業務委託費という「変動費」に変えることで、経営リスクを分散させる効果があります。
また、自社で採用や教育を行うコストも削減できるため、元請け企業にとってはメリットだらけ。この構造があるからこそ、彼らは大規模なプロジェクトを柔軟に受注できるのです。
原因2:下請け企業の営業力不足と案件依存
一方、ピラミッドの下層にいる下請け企業にも、この構造に依存せざるを得ない事情があります。多くの中小IT企業は、自社でクライアントから直接案件を獲得してくる「営業力」がありません。
実績やコネクションがなければ、大手の元請け企業と競って案件を取ってくるのは至難の業です。
下請け企業の事情
- 営業専門部隊がない
- 実績やコネクション不足
- 安定した案件確保
- エンジニアの待機を回避
そのため、元請けや二次請けといった上流の企業から仕事をもらうことで、経営を成り立たせています。自社のエンジニアが仕事のない状態(待機状態)になるのを避けるためにも、多少条件が悪くても上流からの案件を受けざるを得ないのです。
こうして「仕事をもらう側」と「仕事をあげる側」という依存関係が生まれてしまい、多重下請け構造が温存されてしまう。下請け企業もまた、この構造の被害者であると同時に、構造を維持する一因にもなっているわけです。
「エンジニアを抱えること」がビジネスモデル
特にSESを主事業とする企業の場合、ビジネスモデルそのものが「エンジニアを客先に常駐させて、その差額(マージン)で儲ける」という仕組みになっています。自社でサービスを開発するわけではないので、会社の利益は所属するエンジニアの数と稼働率に直結します。
そのため、会社としてはとにかくエンジニアを採用し、一人でも多く現場に送り込むことが最優先。エンジニア個人のキャリアプランやスキルアップは二の次になりがちです。
このビジネスモデル自体が、多重下請け構造と非常に相性が良いのです。
原因3:業界全体の慢性的なIT人材不足
そして、最も根深い原因が、IT業界全体の慢性的な人材不足です。経済産業省の調査によると、2030年には最大で約79万人のIT人材が不足すると予測されています。
これだけ人材が足りていない状況では、一つの企業だけで大規模なプロジェクトを完遂させるのは不可能です。
そのため、元請け企業はプロジェクトを受注すると、自社の社員だけでは足りない部分を補うために、協力会社(下請け企業)に声をかけ、人をかき集めることになります。その協力会社もまた、自社だけでは足りない分をさらに下請けに…という形で、人材集めのためのピラミッドが形成されていくのです。
つまり、多重下請け構造は、IT人材が不足しているという業界全体の課題が生み出した、ある種の「必要悪」とも言える側面を持っている。だからこそ、簡単にはなくならないのです。
多重下請け構造の闇から抜け出す!待遇とキャリアを好転させる方法
ここまで読んできて、「もうこの業界はダメだ…」と絶望的な気持ちになっているかもしれません。でも、安心してください。
多重下請け構造の闇は深いですが、そこから抜け出す方法はちゃんとあります。大切なのは、現状を嘆くだけでなく、自分のキャリアを好転させるために自ら行動を起こすこと。
ここからは、搾取される側から抜け出し、正当な評価と待遇を手に入れるための具体的なステップを、順を追ってお伝えしますね。
ステップ1:自身の市場価値を正しく把握する
現状から抜け出すための最初のステップは、敵を知り己を知ること。つまり、「今の自分が、転職市場でどれくらいの価値があるのか」を客観的に把握することです。
会社に単価を教えてもらえない以上、自分で自分の価値を測るしかありません。これが分からないと、次のステップに進むための戦略が立てられませんからね。
まずは、これまでの経歴やスキルを「スキルシート」にまとめてみましょう。どんなプロジェクトで、どんな技術を使い、どんな役割を果たしてきたのか。
できるだけ具体的に書き出すことで、自分の強みや弱みが見えてきます。その上で、転職サイトに登録して、自分のスキルや経験にどれくらいの企業が興味を示してくれるのか、どんな年収のスカウトが届くのかを確認してみるのがおすすめです。
思っていたよりも高い評価を得られて、自信につながるかもしれませんよ。
ステップ2:商流の浅い優良企業・自社開発企業を見極めるポイント
自分の市場価値を把握できたら、次はいよいよ転職先の企業を探すステップです。目指すべきは、多重下請け構造から脱却できる「商流の浅い企業」。
具体的には、クライアントと直接契約している元請けSIerや、自社でサービスやプロダクトを開発・運営している「自社開発企業」がターゲットになります。
優良企業の見極め方
- 自社サービスがあるか
- 直接取引の割合
- エンジニアの評価制度
- 技術ブログの発信
これらのポイントを企業の採用サイトや口コミサイトでチェックすることで、その企業がエンジニアを大切にしているか、成長できる環境があるかを見極めることができます。特に、自社でサービスを持っている企業は、エンジニアの技術力が会社の競争力に直結するため、スキルアップへの投資や正当な評価制度が整っていることが多いです。
給料だけでなく、働きがいや将来性も考えて、慎重に企業を選びましょう。
「プライム案件100%」の言葉に注目する
企業を探す際に、ぜひ注目してほしいのが「プライム案件100%」や「エンドユーザー直取引」といったキーワードです。これは、下請け仕事ではなく、クライアントから直接仕事を受注していることを意味します。
つまり、商流が最も浅いということです。このような企業では、中抜きが発生しないため、エンジニアへの還元率が高くなる傾向があります。
また、クライアントと直接やり取りできるため、要件定義などの上流工程から関わるチャンスも多く、スキルアップにもつながりやすい最高の環境と言えます。
自社開発企業は本当に天国なのか?
下請けからの脱出先として人気の自社開発企業ですが、必ずしも全ての自社開発企業が「天国」というわけではありません。注意点もあります。
例えば、サービスの成長が止まっていて技術的な挑戦ができなかったり、社内の特定の人しか重要な開発に関われなかったりするケースもあります。転職する際は、その企業がどんな技術を使っているか、開発チームの文化はどうか、といった点までしっかりリサーチすることが大切です。
技術ブログを読んでみたり、カジュアル面談で質問してみたりして、入社後のミスマッチを防ぎましょう。
ステップ3:転職エージェントを最大限活用して有利に交渉を進める
一人で転職活動を進めるのは、情報収集も企業との交渉も大変ですよね。そこでおすすめしたいのが、転職エージェントの活用です。
特にIT業界に特化したエージェントは、業界の裏事情や、表には出てこない優良企業の非公開求人をたくさん持っています。
エージェント活用のコツ
- 複数登録して比較する
- 希望条件を明確に伝える
- 年収交渉を任せる
- 担当者との相性を見る
エージェントはあなたの代わりに、企業の良い点だけでなく悪い点も教えてくれますし、自分では言いにくい年収の交渉も代行してくれます。キャリア相談に乗ってもらうだけでも、自分の進むべき道が見えてくることがあります。
「多重下請け構造から抜け出したい」という希望を正直に伝えれば、親身になってサポートしてくれるはずです。無料で利用できるので、使わない手はありませんよ。
自分に合ったエージェントを見つける方法
転職エージェントと一言で言っても、大手総合型からIT特化型まで様々です。まずは2〜3社のエージェントに登録し、実際にキャリアアドバイザーと面談してみることをおすすめします。
アドバイザーとの相性は非常に重要です。あなたの経歴や希望をしっかり理解し、的確なアドバイスをくれる人なのか、ただ求人を流してくるだけの人なのか、見極めましょう。
信頼できるパートナーを見つけることが、転職成功への近道です。
「SES企業は紹介しないでください」とハッキリ伝える
エージェントに相談する際は、最初に「多重下請け構造から抜け出したいので、SESを主事業とする企業は紹介しないでください」とハッキリと伝えることが大切です。これを伝えないと、エージェント側も紹介しやすいため、結局同じような下請け企業を勧められてしまう可能性があります。
自分の転職の軸を明確に示し、自社開発企業や元請けSIerに絞って紹介してもらうようにしましょう。強い意志を示すことで、エージェントも本気であなたに合った企業を探してくれます。
最終手段:フリーランスとして独立し直接契約を目指す
もし、ある程度のスキルと経験に自信があるなら、「フリーランス」として独立するのも強力な選択肢の一つです。フリーランスになれば、企業に所属するのではなく、個人事業主としてクライアントと直接契約を結ぶことができます。
これにより、会社に中抜きされることなく、自分のスキルに見合った報酬をダイレクトに受け取ることが可能になります。
もちろん、フリーランスには案件を自分で探さなければならない、収入が不安定になる可能性がある、確定申告などの事務作業を自分で行う必要がある、といったデメリットもあります。しかし、月単価80万円以上の高単価案件も多く、会社員時代とは比べ物にならない収入を得られる可能性も十分にあります。
何より、働く場所や時間を自分でコントロールできる自由度の高さは大きな魅力です。会社という組織に縛られず、自分の力でキャリアを切り開いていきたい人にとっては、目指すべき道の一つと言えるでしょう。
まとめ:あなたのキャリアは、あなた自身で変えられる
今回は、IT業界の多重下請け構造の闇と、そこから抜け出すための具体的な方法についてお話ししてきました。給料が上がらない、スキルアップできない、将来が見えない…。
あなたが抱えていたモヤモヤの正体が、この根深い業界構造にあったと理解していただけたのではないでしょうか。
この構造は、残念ながらすぐになくなるものではありません。しかし、大切なのは、あなた自身が行動を起こすことで、この搾取のループから抜け出すことは可能だということです。
自分の市場価値を知り、正しい知識を持って企業を選び、時にはプロの力も借りながら行動すれば、必ず道は開けます。
今の環境に不満があるのなら、どうか諦めないでください。あなたのスキルと経験は、もっと正当に評価されるべき価値あるものです。
この記事が、あなたが新しい一歩を踏み出すきっかけになれば、これほど嬉しいことはありません。あなたのキャリアは、誰のものでもなく、あなた自身のものです。
今日から、未来を変えるための行動を始めてみませんか?




あなたの業界の意見お待ちしています!